株式会社アクアポニックス・ジャパンと有限会社S.R.K.は、北海道内では初導入となる環境先進国ドイツにて開発されたアクアポニックス専用設備を建設し、8月末に完成させた。
アクアポニックスとは、チョウザメなどの淡水魚と野菜を同時に育てる自然界の循環を模した水産農法で、SRKが経営するホテル「ナチュラルリゾート・ハイジア」敷地内に「アクアポニックス・ハウス」として建設した。
当設備の最大の特徴は、農薬や化学液肥を一切使用しない自然循環型アクアポニックスプラント(水耕栽培と水産養殖を併用)システムで、屋内栽培で多く用いられるLEDではなく、太陽の自然光を活用して育成できるように設計されています。
再生自然エネルギーの先進国であり、SDGs推進国であるドイツebf社代表であるフランツ博士設計によるもので、太陽光パネルなどの再生自然エネルギー機器も導入し、全天候・通年型の設備で、豪雪や豪雨などの天候に左右されることなく稼働が可能で、極寒の地-北海道にテスト運用を兼ねて第一号プラント設備を建設しました。
アクアポニックス農業は、食糧危機の対応する手段の一つとして国連がレポートにて公表しており、安心・安全な次世代の食料調達手段として欧米諸国などで広く実施され、既に米国農務省(USDA)ではアクアポニックスで栽培される野菜作物を有機農産物として認定しています。
今回の共同事業のパートナーであるアクアポニックス・ジャパンの代表である武原大輝は、大学(法政大学)に籍を置きながら、将来予測される食糧危機や自然環境破壊の現状を憂い、この状況を解決する一助となる活動が出来ないかと思案していたところ、環境に配慮した自然循環型のアクアポニックス農業にめぐりあい2019年9月にアクアポニックス・ジャパンを起業しました。
参考資料【アクアポニックスについて】
「アクアポニックス(Aquaponics)」の語源は、水産養殖の「Aquaculture」と水耕栽培の「Hydroponics」からなる造語で、魚と植物を同じシステムで同時に育てる全く新しい農法です。
「アクアポニックス」は自然界の循環を模した次世代の安心・安全な水産農法で、養殖する淡水魚が排出する老廃物に含まれる微生物を分解し、栄養豊富な水を作り循環させ、その水を食物が栄養として吸収、育成します。
吸収後の水は植物の浄化作用によって浄化され、淡水魚の水槽へ戻します。このように自然界を模したシステムにより、水耕栽培と養殖を同時に行うことができる画期的な水産農法です。
特に、一般的な水耕栽培に用いられる化学物質まみれの液肥と違い、自然で安全な有機の液肥による水耕栽培なのです。
【Franz Schreier(フランツ・シュライラー)博士とは】
フランツ博士はエネルギー関連のコンサルタントであり、今回導入したアクアポニックス設備を設計・販売するEBF GmbH社の代表です。また、自然環境を破壊せず、持続可能な食物の供給を図るためにAGC社(日本)と共同でF-CLEANの製造・販売に携わっています。
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