株式会社坂ノ途中、株式会社ポケットマルシェ、ローカルフードサイクリング株式会社の3社は、生ごみを堆肥として土に還すコンポストを利用した循環型社会の構築について協業していく。
【概要】
2020年4月30日、坂ノ途中、ポケットマルシェ、ローカルフードサイクリングの3社は、生ごみを堆肥として土に還すコンポストを利用した循環型社会の構築について協業することを発表いたします。
坂ノ途中は野菜の宅配事業を行い、ポケットマルシェは農家や漁師と消費者を繋ぐアプリを運営しています。それぞれのユーザーに対し、キッチンで出た生ごみを回収し土に還す、ローカルフードサイクリングのコンポストを提案。
各社のECサイトでコンポストとコラボした商品の販売を行います。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で自炊が増えているいま、家庭で出る生ごみも急増しています。この生ごみを再利用することで、循環型社会へ近づきたいと考えます。
◆ 坂ノ途中:環境負荷の小さい農業に取り組む生産者と提携し、野菜の宅配・販売事業を展開。
◆ ポケットマルシェ:全国の農家や漁師と消費者を直接繋ぐオンラインマルシェ「ポケットマルシェ」を運営。
◆ ローカルフードサイクリング:都市型コンポスト「LFCコンポスト」の開発・販売。
【3社協業の目的と背景】
私たちの食生活は、農業などの一次生産、加工、輸送、貯蔵、調理、廃棄といった一連の流れの中にありますが、その過程では様々な形で環境への負荷が発生しています。
IPCCが昨年8月に発表した『土地利用の特別報告書』によると、食料の生産から加工、流通、調理、消費までを含めた食料システムに起因して排出される温室効果ガスが世界の総排出量の21〜37%を占めており、中でもフードロス(生産から消費までのプロセスにおける損失やまだ食べられる食品の廃棄など)に起因する温室効果ガスはそのうちの8〜10%と報告されています。
私たち一人ひとりが毎日繰り返している「食」は、地球規模の気候変動にも大きな原因ともなっているのです。
このことは逆説的に、私たち一人ひとりが現在の環境負荷の大きい食生活を見直すことで気候変動の抑止に貢献できることを示しています。
肥料や農薬の不適切な使用、経済性や効率性を優先した農地の整備、海外からの長距離輸送等による環境負荷の高い食材を購入し余して廃棄するのではなく、環境負荷の小さい方法で生産された、できるだけ近場の食材を選んで無駄なく使い切る食生活へシフトすることが、持続可能な社会に向かう一歩となるのです。
そのため、3社は協業して循環型の食生活を推進する取り組みを各方面で行うことで、持続可能な社会の構築を目指していきます。
新型コロナウイルスの感染拡大により家で食事をとる人が増えている今、家庭からの生ごみ排出量は増加しています。また外出自粛要請の中、自然に触れる機会が減ってしまった都市住民も増えていると思われます。
そんな社会背景の中で、坂ノ途中とポケットマルシェ、ローカルフードサイクリングの3社は今こそ「LFCコンポスト」を都市住民に使ってもらうことで、生ごみを出さない生活習慣、また家でも気軽に自然に触れられる体験として、コンポストやベランダ菜園のある循環型の生活を広めたいと考え、今回の企画に至りました。
【LFCコンポストとは】
「捨てない暮らし」で台所を起点とした食循環をつくることをビジョンに掲げるローカルフードサイクリングが開発した「LFCコンポスト」は、都市部の人たちにも導入しやすい小さくスタイリッシュな見た目で、エコにも徹底的にこだわったコンポストです。
世界最大級のクリエイティブの祭典roomsにて「FRaU ETHICAL AWARD」を受賞したり、テレビ番組「カンブリア宮殿」や雑誌「オレンジページ」など数多くのメディアで取り上げられるなど注目を集め、1月の販売開始から現在までに会員登録者数は1000世帯以上、生ごみ削減によるCO2削減量は12トンとなりました。
LINEで気軽に質問ができることや、簡単に循環型の生活を始められる点もLFCコンポストの魅力で、ユーザーからは「環境というと難しく自分にはできないとハードルを感じていましたが、LFCコンポストは気軽にやってみようと思えた」「子どもと取り組み始めてとてもいい勉強になっています」などといった声が多く寄せられています。
野菜がめぐるコンポスト定期便野菜がめぐるコンポスト定期便
坂ノ途中は、新規就農者をメインパートナーとして、農薬や化学肥料に頼らず、環境負荷の小さい方法で育てられた農産物を生産者から集め、個人のお客さまへ宅配しています。
定期宅配の「旬のお野菜セット」が主力商品で、季節や天候による野菜の移ろいを伝えることを大事にしています。
今回の「野菜がめぐるコンポスト[定期宅配]」では、LFCコンポストセットに「坂ノ途中のおすそ分け」を添えて、「1ヶ月に1回」「2ヶ月に1回」「3ヶ月に1回」のペースで各家庭にお届け。
「坂ノ途中のおすそ分け」では、坂ノ途中の自社農場「やまのあいだファーム」で育てた藁のストローや、提携生産者が自家採種した野菜の種、食べることもできる玉ねぎの苗など、毎回異なる内容を予定しています。
なお、コンポストの実践に際してはローカルフードサイクリングによるLINEでのサポートを受けることができます。
また、今後は坂ノ途中の自社便トラックで各家庭で作ったコンポストを回収し、自社農場等で堆肥として活用する仕組みも検討を進めてまいります。
◆「野菜がめぐるコンポスト[定期宅配]」詳細: https://www.on-the-slope.com/shop/products/734/
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