酪農・畜産向けIoTソリューションを提供する株式会社ファームノートホールディングスは、第5回日本ベンチャー大賞において農林水産大臣賞(農業ベンチャー賞)を受賞した。
日本ベンチャー大賞は、次世代のロールモデルとなるような、社会的インパクトのある事業を創出した起業家やベンチャー企業等を表彰する制度で、積極的に挑戦することの重要性や起業家の社会的な評価を向上させ、社会全体の起業に対する意識の高揚を図ることを目的としています。
経済産業省、農林水産省、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会が募集し、有識者で構成する審査委員会の選考により多数の有力ベンチャー企業の中から、内閣総理大臣賞・経済産業大臣賞・農林水産大臣賞の受賞者を決定するものです。
このたびの第5回日本ベンチャー大賞では、ファームノートHDの農林水産分野における新事業創出を評価いただき、農林水産大臣賞(農業ベンチャー賞)に選出されました。
■事業の革新性
ファームノートは、これまで紙の台帳でアナログ管理をしていた牛の飼養記録や共有を、全てのスマートデバイスで時間と場所を選ばず管理できる製品を提供しています。
酪農・畜産生産者の働き方を含む業務効率の改善やコミュニケーションの改善、生産性向上に向けた経営判断に貢献すると導入生産者から高く評価されています。
また徹底的にこだわったUIにより、誰でも簡単に操作できることからITに明るくない高齢の方でも簡単に利用できる点も評価されています。
センシングした牛の活動データを人工知能で解析することで、気候環境・飼養形態・品種・個体毎に異なる牛の授精適期や体調変化を精度よく検知できる点に革新性があります。
その他、日本の酪農飼養形態の50%以上を占める繋ぎ牛舎では、牛の行動量が大きく低下する為、従来の牛向け行動モニタリング製品では利用対象外となっていました。
ファームノートが開発した繋ぎ牛舎専用のアルゴリズムでは、限られた牛の行動データの中から授精適期の検知が可能で、国内酪農の大多数を占める繋ぎ牛舎でも生産性向上に向けた製品利用が可能な点が革新的です。
■事業現況と今後の見込み
ファームノート製品のリリースから約5年、酪農・畜産生産者の約2,900戸(約29万頭、国内頭数シェア約8%)にご利用頂いています。
まだ機能改善や品質向上の過程ですが、製品がこのようなスピードで拡販されている事実は、顧客課題の解決やプロダクトマーケットフィットの実現に真摯に取り組んでいる成果と考えています。今後は酪農・畜産分野へのさらなる深堀、海外展開、他の農業分野への展開を見据えています。
世界の約40%の穀物消費率を占める酪農・畜産分野、特に割合の高い牛の深堀と生産性向上を実現することで、世界的な農地有効活用と食糧問題の解決を日本から貢献できないかと考えています。
その為に、搾乳機器や国の個体識別情報など牛にかかる散在したデータを集約する技術サービスの開発も進めます。
そして酪農・畜産における地球規模での生産性向上と、意思決定(人にしかできない仕事)にフォーカスできる世界の実現に向け、今後は国内で培った技術と製品サービスをもって海外に展開したいと考えています。
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