顧客の要望にあったオーダーLED照明を成長の軸に。植物工場への進出も視野にいれるIDEC社

工場などで使う制御用スイッチで国内最大手であり、LED照明にも力を入れているIDECが、今後の中期経営戦略に12年度のLED事業の売上高を09年度比3・5倍の30億円に引き上げる目標を盛り込んだ。北米市場での事業の立ち上げや植物工場への進出も視野に入れているという。
 
 
同社は08年のリーマン・ショック後、自動車や電機、半導体業界の設備投資の抑制を受け主力の制御用スイッチの販売不振に直面。10年3月期の連結決算は2期連続の減収となり、最終損益は2億7700万円の赤字に転落した。そこで建物や空間に合った明るさや配光、サイズなどを調整できる、顧客ニーズに合ったオーダーメイドLED照明を武器に、大手メーカーとは違う独自路線で攻勢をかける計画。
 
 
06年に販売を始めた工作機械や半導体製造装置の内部で使う産業用LED照明も合わせ、連結売上高を09年度の1・6倍にあたる350億円まで引き上げる目標を示している。
 
顧客の要望にあったオーダーLED照明を成長の軸に。植物工場への進出も視野にいれるIDEC
 
すでにコンビニ大手ローソン向けに、250を超す店舗でオーダーLED照明を納入。大阪市内のデータセンターからも受注した。鉄道会社など従来とは異なる企業からの問い合わせも増えているという。09年度は6億円の売り上げを達成している。
 
 

当法人からのコメント
最近、近くのコンビニでも営業しているのかどうか外からみると分からないくらい暗い店舗があります。しかし中に入ると、非常に目に優しい感じのLED照明が全てに導入されておりました。どうしても派手で明るいコンビニに慣れており、はじめは違和感を感じましたが、今では環境保全にもつながり、そのコンビニを優先的に利用しています。
 
さて同社では、植物工場への進出も視野に入れている模様。確かに栽培面積や品種など、顧客に応じたLED照明が求められることはあるかと思いますが、現在の主流は蛍光灯ランプ。どうしても導入コストの面から全面LEDで商業的に生産している工場は、ほとんどゼロに近いのが現状です(一部、実験施設ではあります)。
 
こうした栽培実験施設に導入しながら、工場運営企業と共同で栽培ノウハウや企画・提案力を身に付けることが必要かと思います。ただし他社の事例を見る限り・・・個人的にはあまりお勧めしない分野だと考えております。その理由はまた別の機会にでも。