ニュージーランド、水産業のICT化を加速。2025年までに新技術で10億ドルの売上を確保

 ニュージーランドにある水産分野に特化した独立科学機関「Cawthron Institute」は200万ドルを拠出し、水産・養殖分野のICT化を加速させる研究プロジェクトを開始する。プロジェクトは2年間となっており、各組織の専門家が集結し、チームとして実証研究を行う。

Cawthron Instituteのほか、オークランド大学、ヴィクトリア大学ウェリントン、カンタベリー大学などニュージーランドの大学研究者も参加する。

精密農業の「水産版」であるハイテク水産技術は、ニュージーランドにおける国家プロジェクトであり、優先度の高い技術テーマの一つだ。今回のプロジェクトでも、センシング技術、AI(人工知能)、ロボット、ドローン、レザー技術など幅広い要素技術を水産養殖分野に応用していく計画。


 ニュージーランドがハイテク水産分野のトップリーダーとなるべく、科学データに裏付けされた養殖技術、遠隔制御による大規模施設の効率的な運営ノウハウの確立を目指す。

本プロジェクトでも、中~長期的な視野に立ち、短期的な成果には固執しないようにしている。通常は、魚の生産・養殖に密接した技術のみを選定するが、今回は、危険生物や海洋環境の監視システムなど、水産に関わるテーマであれば、特に実証研究に制限は設けていない。
幅広いテーマ・自由な発想で実証研究に取り組み、水産ビジネスへのイノベーション創出を目指す。


 野菜を生産する植物工場のように、海の環境状態(水温、窒素濃度、エサとなるプランクトン量など)や気候条件など、多様な項目をセンサー技術でリアルタイムに計測・わかりやすい形にイメージ表示するだけでなく、AI技術を活用して、養殖の最適環境条件を導き出すようなシステムの研究も想定している。

Cawthron Instituteでは、今回の研究プロジェクトによって生まれた新技術にて、2025年までには10億ドルの売上を目標としている。