農業総研とデリカフーズHD、「青果物の流通インフラ構築」に向けて業務提携

 農業総合研究所では、デリカフーズホールディングス株式会社との間で、業務提携契約を締結し、青果物流通における新たなインフラを構築していく。農業総研は、全国約7,000名の生産者と都市部を中心とした約1,000店舗の小売店をITでダイレクトに繋ぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築することにより、これまでになかった新しい農産物流通システム「農家の直売所」を展開しております。

デリカフーズHDは、業務用の青果物販売におけるリーディングカンパニーとして、日本全国の外食産業・中食産業向けに365日、カット野菜やホール野菜を提供する事業を展開しております。

両社の提携により、デリカフーズHDが構築してきた大規模農家向け外食・中食流通インフラと、当社が構築してきた中小規模農家向け小売流通インフラが相互に乗り入れ可能となり、青果物流通の新たなインフラが構築できると期待しております。

また、当社が所有する栽培履歴や販促ツールとデリカフーズHDが所有する約2万検体に及ぶ青果物のビックデータを共有することで、外食・中食・小売店向けの情報提供サービスを可能とします。


2.業務提携の内容
(1)スキーム図
農業総研とデリカフーズHD、「青果物の流通インフラ構築」に向けて業務提携
(2)契約農家の共有および共同調達
 [1] デリカフーズHDが構築した大型契約産地と当社が構築した中小型契約産地を共有することで相互の調達領域を拡大する。
 [2] 業務用の販路と小売店向けの販路を共有することで、契約農家の生産意欲を高め、生産能力・流通量・契約農家数の拡大を図る。
 [3] 商品と情報を共有することで、豊作時または不作時の需給バランスを図れる体制を構築する。

(3)全国物流センターの共有
 [1] デリカフーズHDが全国に展開する冷蔵センターを当社の流通拠点として共有することで、施設・作業・物流の効率化を図る。
 [2] 当社は冷蔵センターを共有することで、温度管理および品質管理の更なる向上を図る。
 [3] デリカフーズHDは当社の流通活用を視野に、今後全国での冷蔵センター設置を進め、調達から集荷、各店配送の物流インフラを構築する。

(4)情報およびデータの共有
 [1] デリカフーズHDが独自に構築してきた「デリカスコア(成分分析による野菜の見える化)」を当社の契約農家に導入し、当社が消費者向けに提供する情報へ展開する。
 [2] 当社が構築してきたタブレットを使用した商品(栽培)情報ツールをデリカフーズHDの契約産地に展開し、業務用野菜の情報ツールとして展開する。
 [3] 双方の情報およびデータを共有し、農産物ビックデータの構築を図る。

(5)販路拡大
 [1] デリカフーズHDの販売先である外食・中食向けに、当社の契約農家約7,000名の青果物を販売展開する。
 [2] 当社が展開する農家の直売所に、デリカフーズHDが手掛ける高栄養化青果物を販売展開する。

(6)業務提携の方針
ビジネスへの相互展開は勿論のこと、両社が持つ情報と技術・流通インフラを共有することで、新たな青果物インフラの構築を目指します。また、本取り組みをプラットフォーム化することで、賛同を得られる同業者を広く募り、日本農業の発展および青果物の価値向上を目指します。