東京農業大学の総合研究所研究会では新たな研究部会として、植物工場をテーマにした研究会を新たに発足し(28番目の研究部会になる)、2月17日に発足記念講演が実施された。
講演では、経済産業省・地域経済産業政策課による植物工場に関する最新動向や補助政策支援の紹介、研究部会長を務める大成建設の山中氏からは同社が開発を進めるLED光源による植物工場システムや今までのコンサルティング事例について発表を行った。
大成建設では、太陽光利用型植物工場の設計・施工に関わった1998年からコンサルティング活動をスタートさせ、2009年からは独自のLED人工光型植物工場の開発も行っている。
同社によると「当初のプロジェクトでは太陽光利用型からスタートしたが、最近では人工光型の相談案件が増えている」という。
同社が照明メーカーと連携しながら開発したオリジナルのLED光源型の植物工場システムは蛍光灯や一般的なLED光源より、大幅に電気代を削減できるのが強み。
設備というハード面だけでなく、事業運営や栽培技術をワンストップに提供しており、黒酢を利用した抗酸化機能を向上させた野菜など、機能性を付加した野菜の栽培研究も行っている。
東京農業大学では、H20年より生物資源ゲノム解析センターを新設し、農学分野を中心としたゲノム解析拠点として現在も研究が進められている。
最新のゲノム解析機器や農学・食品に関わる豊富な人材を生かしながら、今後は植物工場を利用した機能性野菜に関わる研究などを産学が連携しながら行っていく、という。
東京農業大学 総合研究所について
ウェブサイト: http://nri.nodai.ac.jp/
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