農業生物資源研究所は8月27日、クモが糸を作る遺伝子をカイコに導入することで、天然シルクよりも1.5倍の切れにくさを持つ「クモ糸シルク」を作ることに成功したと発表した。
細くて強度があり、熱にも強い性質を利用して手術用の縫合糸や防護服への応用が期待できるとしている。
研究グループは通常のシルクを生産するカイコに、オニグモの巣の縦糸のたんぱく質の遺伝子を導入して組み換えカイコを作った。
遺伝子組み換えカイコが作った繭から取った糸は、オニグモの縦糸のたんぱく質を約1%含んでいる。天然シルクより1.5倍以上切れにくく、アメリカジョロウグモの縦糸に匹敵する強度だった。
この生糸から不要なたんぱく質を取り除いたところ、光沢や柔らかな風合いはシルクと同じで、機械で編んだり織ったりできた。微生物でクモの糸のたんぱく質を作る試みもあるが、繊維にする工夫の必要がある。カイコに作らせれば、そのまま繊維として使える。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現