三菱ケミカルホールディングスは、中国市場をターゲットに植物工場事業を展開することを発表した。まず江蘇省の協同組合と提携し、太陽光を活用した養液栽培などのシステムを2012年から発売する。
中国では節水型の農業や安全性の高い農作物への需要が拡大しており、同社は低コストで収穫増加が見込める植物工場を普及させ、20年に同事業で年100億円の海外売り上げを目指す。
実際の事業運営は三菱樹脂が行う。また、農業資材の子会社であるMKVドリームが農業資材の販売などを手掛ける江蘇省チャイナコープ(南京市)と提携した。両社で約6000万円を投じて、トマトやホウレンソウなどを育てる植物工場の試験設備を整えた。
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人工光型・植物工場にて苗を育成し、機能性フィルムを張ったビニールハウスで育て、苗の病気や農薬の使用量を減らす。トマトの場合、10アール当たりの収穫量で通常のハウス栽培の2.5倍に当たる年間50トンの収穫が見込める。
両社は1年間かけて効果を検証したのち、合弁会社などを設立して江蘇省の農業法人などに販売する。江蘇省チャイナコープの年間売上高は約5兆円と大きいほか、販売網も広いため、提携先に選んだ。
中国では農業人口の高齢化や水不足の問題で、収穫増が見込める効率的な栽培手法への関心が高まっている。ハウス栽培など施設園芸の面積は11年で前年比約2割増の約360万ヘクタールになる見通しで日本の約70倍の規模を持つ。
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