アイオワ州立大学のAgricultural and Biosystems Engineeringでは、大規模農場におけるワイヤレスな土壌センサーの研究・開発を行っている。研究では、土壌の深さ30cm程に25?50m間隔でセンサーを埋め込み、土壌中の水分量や炭素・窒素の使用量などを数値化することで、現在の土壌環境に足りているもの、足りないものを判断するセンサーを開発している。
私達が最近、出会った農家さんでも植物の様子がおかしかったり、うまく成長してくれないと、まずは窒素肥料を蒔いてしまう、といった感想をもらしていたが・・・農家にとって、水量や肥料の最適値を見極めることは過剰な投下や失敗リスクを回避でき、効率的に収量を高めることにもつながる。
もちろん、その土地の気候や土壌環境によって、最適値は case-by-case だが、土壌や栽培環境がモニタリング可能なセンサーを導入することで、正確な値を把握することができ、必要な対処方法や将来的な収量予測、さらには最悪な場合のリスク回避を行うために、農家自身が行動を起こす上での意思決定や判断材料になりうるだろう。もちろん正確なデータを入手しても、そこから読み取る力がない限りは無駄になってしまうが。
このワイヤレス土壌センサーに関する研究プロジェクトは、2008年から開始しており、アメリカ国立科学財団 (National Science Foundation)から、3年間で約24万ドルの補助を受けている。当法人でも、今後の成果を継続的に追いかけていこうと思う。
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