株式会社日本総合研究所は、デジタルトランスフォーメーションの手法を用いて「儲かるビジネスがあり、かつ住みやすい農村」を実現する「農村デジタルトランスフォーメーション」を推進するため、自治体を会員とする「農村デジタルトランスフォーメーション協議会」を設立した。
本協議会では、農業を中心としたビジネスおよび農村生活の革新によって地域を活性化させることを目的に、会員自治体が日本総研の情報提供を受けながら、デジタルトランスフォーメーションを活用した新しいサービスの開発を検討するなどの活動を行います。
■背景
近年、「儲かる農業」を実現する農業者や農業法人が増加しつつあるなか、農業で生計を立てながら農村で暮らしたいと考える人が増えています。農村地域の自治体側も、Iターン、Uターン人材による農業での雇用拡大や人口増加は地域を活性化させるものと期待しています。
しかし、そうして地方にやってきても、農業の難しさや都会と比べた生活の不便さなどが壁となって、地域に定着する前に農業をあきらめ、都会に戻ってしまうケースが少なくないのが実情です。
新規就農者の3割が5年以内に離農しているというデータもあり、農業および地域を活性化させるうえでの課題となっています。
ただし、農業の難しさについては解消の道筋が見えてきました。農業技術習得を容易にさせ、労力削減も狙える、AI・IoTを活用した「スマート農業」が理解されるようになり、各地でその推進策が模索され始めています。
一方、人口が減少するなかで農村の生活利便性は低下し続けており、例えば、交通、宅配、エネルギーをはじめとした多くの事業者が、農村地域でのサービスの縮小・撤退を余儀なくされています。
生活に不可欠なサービスを維持しようと検討を始める自治体も現れてきていますが、対策が進んでいるとは言いにくい場合がほとんどです。
■農村デジタルトランスフォーメーション協議会について
日本総研では、農村全体をデジタル化し、それぞれを連携させることで「儲かるビジネスがあり、かつ住みやすい農村」を実現していく「農村デジタルトランスフォーメーション」のコンセプトを提唱しています。
このコンセプトは、農業をはじめとしたビジネスと農村生活に関連する情報や機能をAI/IoT等のデジタル技術で一体化させて新しいサービスを開発し、農村におけるビジネスおよび生活の革新を目指すものです。
今般、日本総研が立ち上げた「農村デジタルトランスフォーメーション協議会」は、自治体が会員となり、農村生活の向上に役立つデジタル技術に対する知見の獲得や自治体同士の情報交換等を行う組織です。
例えば、農業を核とした産業創出、効率的なインフラ管理、物流の最適化といった農村が直面している課題を解決するサービスの具体化に向けて、日本総研からの情報提供を受けながら、会員自治体同士が検討するなどの活動を行います。
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