キリンと農林中金、国産ホップの生産法人BEER EXPERIENCE社に出資

 キリン株式会社と農林中央金庫は、日本産ホップ有数の産地である岩手県遠野市が掲げる「ビールの里構想」(※1)の実現に向けたまちづくりを加速するため、農業生産法人のBEER EXPERIENCE株式会社に出資した(※2)。

キリンと農林中金、国産ホップの生産法人BEER EXPERIENCE社に出資
※1 ホップ生産を起点とし、ビール文化の発展や産業の創出を通じて多様な価値を創造し、ビールの里・遠野に関わる全ての人たちがワクワクする未来を目指し、楽しく健やかに生きられるまちを実現する構想。

※2 農林中央金庫はグループ会社「アグリビジネス投資育成株式会社」を活用して出資。


少子高齢化が進む日本において、地方の過疎化や農業の後継者不足は深刻な社会課題となっています。日本産ホップ有数の産地である遠野市においても、生産量はピーク時の約1/4まで減っています。ホップを原料とする日本国内のビール類市場も13年連続で前年割れが続いています。

一方で、近年は多様な種類のホップを活用した個性豊かなクラフトビールの人気が若年層を中心に高まり、この5年間でクラフトビール市場は約2倍に拡大しています。

キリングループは50年以上、ホップ栽培で契約関係を持つ遠野市と「ホップの里からビールの里へ」を合言葉に、これまでさまざまな取り組みで新規就農者の獲得や市内交流人口の増加などに貢献してきました。


今年新たに設立した農業生産法人BEER EXPERIENCE社への出資により、キリンが育種した希少ホップ「MURAKAMI SEVEN」(※3)を中心とした日本産ホップの持続的生産やブランド価値の向上、地域経済の活性化という社会的価値に貢献するとともに、日本産ホップの安定調達、クラフトブルワーへの外販を通したクラフトビールカテゴリーの育成といった経済的価値にもつなげ、CSV(価値の共創)経営を実践していきます。

※3 キリン株式会社R&D本部 酒類技術研究所 主幹研究員 村上敦司が育種した希少な日本産ホップ。イチジクやマスカットなどの果実を思わせる香りが特徴。

[関連記事]
キリン、ホップ生産日本一の横手市と連携。後継者不足の改善へ