国土防災技術株式会社は、自社開発した「純国産フルボ酸」により、従来の緑化工法に植物成長促進効果を加えた各種工法を開発した。
■事例(1)
長野県において造成された国道の盛土法面で、盛土材として砂質土が使用したため貧栄養であることが懸念されたこと、また客土吹付工を施工した場合、周りからの養分供給がほとんど期待できないことより、吹付工に混合した肥料分を効率よく吸収することが不可欠でした。
そこで、この度当社が開発したフジミン(フルボ酸の原液)を500倍に希釈したものを散布。その結果、フルボ酸のキレート効果による土壌養分の吸収力が上がり、緑化困難な場所において安定した緑化を実現しました。
■事例(2)
愛媛県において木製堰堤の前面に造成されたマサ土盛土部にて、降雨による浸食が進行していました。また南東向きの現場であることから乾燥も認められていたため、緑化による浸食防止についても苦慮されていました。
そこで成長促進効果のあるフルボ酸散布を行いました。7月中旬に施工し降雨の少ない中、2週間後にはフルボ酸散布区において全面的に発芽が確認され、フルボ酸の成長促進効果の他、初期発芽についても効果があることが確認。これは従来工法において早期発芽・生長をさせることにより基盤の流出の懸念のあった場所においても施工可能になると期待しています。
■現在の状況
この他にも海岸の飛砂防止を目的とするはまみどり工法(特許番号:5542232)や、のり面を保護するタフグリーン工法(特許番号:4087777)、資材運搬や施工困難な山腹での緑化工である航空実播、二重包装体航空緑化(特許番号:5822709)など、フルボ酸を使用した各種工法を提案しています。
■「フルボ酸」とは
フルボ酸は、自然界では微量にしか生産されない貴重な資源で、通常は腐植土壌に多く存在します。腐植土壌とは、森林生態系において地上部の動植物により生産された有機物が堆積し、微生物により分解されて土状になったものです。
またフルボ酸は、もともと森林や土壌の中に存在する有機酸の一つで、植物にミネラルを補給する役目を担っています。フルボ酸は植物が必要とする肥料の交換能力を高め、効率よく肥料吸収を図り光合成量を向上させ、酷暑期の耐性を高める効果もあります。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現