共和化工株式会社が、東京電力福島第一原発事故で放射性物質に汚染され、数年間保管されている牧草に対し、微生物を活用した減容化処理の実証実験を宮城県栗原市にて開始した。
栗原市には、市町村が一般ごみとして処理をするよう定められた基準(※)の汚染牧草およそ2,600トンが畜産農家に保管されている。その処理方法と再生利用の安全性を併せて検証するため、微生物を活用した減容化処理方法を検討することとなった。
※ 放射性物質濃度が1キログラムあたり8,000ベクレル以下
実験では、同社の持つ超高温好気性発酵処理技術を用いて、約45~50日間かけて牧草を減容化処理し、その減容率や放射性物質濃度の変化を検証すると共に、処理産物の安全性を植物栽培実験で検証する。
汚染牧草はおよそ10分の1までの減容化を見込んでおり、安全性が確認できれば、栗原市内に保管されているおよそ2,600トンの減容化処理が可能で、同様の農業系廃棄物の処理方法を模索している自治体にも展開が可能になる。また、処理産物を用いた植物栽培実験により安全性が確認できれば、再生利用に向けた具体的な処理方法として適用も考えられる。
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