住友化学、シンガポール政府と都市型農業PJ開始。屋上スペースでの植物工場も視野に

 住友化学はシンガポール農食品獣医庁と共同で、都市型農業の研究開発プロジェクトを開始し、11月23日にシンガポールで栽培施設の開所式を開催した。

本プロジェクトは、限られた国土で食料供給力を向上させるため現地の都市型農業を支援しているシンガポール農食品獣医庁と、農業関連事業をグローバルに展開している住友化学が共同で、日本の農業技術をベースにした新たな都市型農業システムの開発に取り組むものです。

シンガポール都市部の建物屋上に農業用ハウスを設置し、太陽光利用型の養液栽培プラントによる葉物野菜の栽培実験を行い、従来の農法や既存の栽培システムと比べ生産性や品質の向上を目指します。

 住友化学がプロジェクト全体を統括し、日本から、種子や養液栽培プラントなどで優れた技術を持つカネコ種苗株式会社および住友化学グループ会社で農業用ハウスのノウハウを持つサンテーラ株式会社が、シンガポールからは、シンガポール農食品獣医庁および高等教育機関のニーアン・ポリテクニックが参画します。また、シンガポール国家開発省ならびに経済開発庁からの支援も受けています。

 住友化学は、本プロジェクトを通じて2018年を目途に持続可能な都市型農業モデルを確立し、将来的にはアジアを中心にグローバルに同事業を展開していく考えです。


<栽培施設の概要>
立地:シンガポール農食品獣医庁センバワン・リサーチステーション
敷地面積:233平方メートル
設備内容:農業用ハウス、養液栽培プラント(栽培制御機器、栽培ベッド4列 等)


<役割分担>
住友化学:全体統括
住友化学アジアパシフィック:シンガポール現地でのプロジェクト運営、栽培実験
カネコ種苗:養液栽培プラントの設置、栽培技術支援、種子提供
サンテーラ:農業用ハウス資材の提供および施工
シンガポール農食品獣医庁:栽培実験、用地提供
ニーアン・ポリテクニック:栽培実験における技術支援