富士通と越谷市、町田式水耕装置にIoTを融合したメロン水耕栽培の研究を開始

 富士通では、埼玉県越谷市と共同で高品質なメロンを効率良く栽培するノウハウの確立を目指し、IoTを活用したメロン水耕栽培の研究を7月30日より本格的に開始する。実証場所は「越谷市農業技術センター」にて実施する。

本研究では「ラズベリーパイ」を用いて構成した当社独自のデータ収集システムにより、温度、湿度、照度、二酸化炭素(CO2)濃度などの栽培に関わる各種環境データを、ビニールハウス内に設置した小型で省電力なセンサーで収集しクラウド上に蓄積、メロンの栽培環境と収穫量や品質との関係を解析します。

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富士通と越谷市、IoTを活用したメロン水耕栽培の研究を開始
両者はこの解析データをもとに、メロン水耕栽培へのIoT活用の有効性を検証します。

本研究結果を踏まえ、当社は今後、越谷市様と共同で、IoTを活用したメロンの水耕栽培における効果的な栽培方法を確立し、越谷市様をはじめとした、農家や関連企業に栽培ノウハウを提供することで、同市とともに市内の農業振興を支援していきます。

富士通と越谷市、IoTを活用したメロン水耕栽培の研究を開始
■背景
埼玉県越谷市は、平坦な土地や水資源が豊富で、さらに首都圏近郊という恵まれた立地条件の下、大規模市場を対象とした稲作などの都市近郊型農業が盛んですが、最近、米の生産調整による不作付地の発生や、他産業との所得格差を背景に農地転用が進んでおり、農家や農地の減少が続いています。

そのため越谷市様では、高収益な農作物としてメロンに着目し、年に3回の収穫が可能な町田式水耕栽培装置を活用した試験栽培を2018年度より開始しており、今後栽培ノウハウを市内の農家へ展開し、メロンを同市のいちごに続く農業振興の柱に育てていくことを目指しています。

そこで当社は、データを手軽に収集できる基盤「ラズベリーパイ」を活用した独自のデータ収集システムにより、高品質なメロンを効率よく安定的に生産する水耕栽培方法の確立を目指し、越谷市様との共同研究を本格的に開始します。