銀座農園、太陽光・植物工場にて高糖度トマトをシンガポールで生産

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 銀座農園株式会社では、国内の自社にて試験栽培している太陽光利用型・植物工場技術を活用した高付加価値商品を目指した農産物の生産をシンガポールで開始する。

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シンガポール北西部のクランジエリアに1200平方メートルの農地を借り受け、バイオベンチャーのメビオール株式会社が開発したフィルム栽培方式・アイメック植物栽培システムを導入し、生産した農産物は現地にて販売する計画である。

銀座農園、太陽光・植物工場にて高糖度トマトをシンガポールで生産
 銀座農園株式会社は、当社が国内で試験栽培している植物工場技術を活用した付加価値の高い農産物の生産をシンガポールで開始します。本年5月、シンガポール北西部のクランジエリアに1,200平方メートルの農地を借り受け、バイオベンチャーのメビオール株式会社が開発したアイメック植物栽培システムを導入し、高糖度トマトやマスクメロンといった付加価値の高い農産物の試験栽培を本年7月から開始します。

農業生産は現地に設立したGINZA FARM PAN ASIA PTE LTD(シンガポール)が行い、メビオール社指導のもと、アイメック農法を経験した日本人生産者が栽培を行います。生産した農産物は現地にて販売し、販売価格は国産の輸入農産物を参考に設定し、生産から流通までをパッケージとした事業モデルを構築します。

アイメック植物栽培システムは、高い保水性を持つ高分子ゲルを素材としたフィルムを活用し、菌やウィルスを通すことなく植物の生育に必要な水分や栄養分の供給を人工的に制御することができるため、品質の高い安心・安全な農産物を安定的に生産することが可能となります。

例えば、トマトの場合、糖から合成されるリコピンは慣行栽培よりも数倍高く、鎮静効果などがあるGABAも従来よりも高いということが実験結果から実証されています。

従来の栽培方法には、土耕栽培では連作障害や残留農薬の問題、水耕栽培では病原菌感染を防止するための手間とコスト問題がありましたが、この栽培システムはそれらの問題が大幅に削減されるため、環境に優しく、安定した栽培が可能な次世代の農業技術ともいえます。

さらに、この栽培システムの農業施設は既存の施設を活用するために、人工光利用型閉鎖型植物工場に比べて、設備投資が大幅に削減され、投資コストは比較的抑えられることができるため、長期にわたりコスト競争力を維持しながら品質の優れた付加価値の高い農産物を安定して生産することができます。

日系企業による本格的な農業生産は初となるシンガポールは、旺盛な食のマーケットが存在する一方で農地や水資源が限られるために、葉物野菜といった農産物のほとんどをマレーシア、中国、米国などから輸入しています。

国内の自給率は約7%程度ですが、シンガポール政府はこれを10%まで引き上げる目標を掲げており、食材の多くを輸入に頼るシンガポールで日本人による日本の農業技術を活用した農産物の生産需要は高く、市場ニーズに合致していると判断しました。

今後は、地域の気候・風土に適合する栽培技術の確立と栽培品種の見極めをしながら、アジアの他地域に生産拠点を広げていき、日本の農業技術をブランド化しながら、日本の農業技術の国際競争力強化の一助となるべく邁進していきます。


■ 農場の概要
所 在 地:10 Neo Tiew Rd,Singapore
生産面積:土地1,200平方メートル、農業施設900平方メートル
※今後も拡大予定
生産品目:高糖度トマトを中心に、将来的にはマスクメロンなどを本格生産
栽培手法:メビオール社のアイメック農法(養液土耕栽培)
生 産 者:メビオール社指導のもと、アイメック農法を経験した日本人生産者が栽培を行います。
予定収量:1年目は年間7トン程度、2年目より年間10トンを計画、今後も生産面積を増やしていきます。 
スケジュール:本年7月末までに施設を準備し、8月中旬に定植、10月頃からの収穫を予定しています。