日本オリーブ、廃棄される葉を利用した商品開発へ

 オリーブ栽培とオリーブの木・食品・化粧品の製造販売を手掛ける日本オリーブ株式会社は、公益社団法人日本農芸化学会の「2019年度農芸化学中小企業産学・産官連携研究助成金」に採択された。

日本オリーブ、廃棄される葉を利用した商品開発へ
農芸化学中小企業産学・産官連携研究助成金は、農芸化学会創立100周年記念事業として、農芸化学分野における中小企業の産業振興をめざして、国公立大学・私立大学・高等専門学校・国立研究開発法人・独立行政法人・地方公設試験所等の公的研究機関に所属する研究者と、中小企業との農芸化学分野の共同研究提案のうち毎年合計7件以内の優秀なテーマ提案者を顕彰するもの。


オリーブは岡山県瀬戸内市牛窓、香川県小豆島において有名な地域特産物です。オイルにはオリーブの果実が用いられていますが、剪定枝、葉については大部分が廃棄または堆肥や飼料として使われています。

オリーブ葉には抗酸化物質であるオレウロペイン※1が豊富に含まれていますが、付加価値の高い商品開発がほとんどされていません。

そこで当社では岡山大学との共同研究で、オリーブ葉からオレウロペインアグリコン※2を高濃度かつ効率良く抽出することに成功し、それをオリーブの花から採取した微生物によって還元型オレウロペインアグリコンに変換することを見出しました。

この還元型オレウロペインアグリコンの抗酸化活性は既存の抗酸化剤として知られているビタミンCやビタミンEより強力な抗酸化活性を有することがわかっており、今後、さらに大学で新たな機能性について調べ、化粧品、食品素材としての応用開発研究を進めていきます。


※1 オリーブの葉に多く含まれるポリフェノールの一種
※2 オレウロペインのグルコースが外れた化合物