海藻製品シェアNO.1を誇るカネリョウグループのカネリョウ海藻株式会社は、和洋女子大学 家政学部 健康栄養学科の多賀 昌樹 准教授と共同で「メカブの食後血糖値抑制作用」に関する学術発表を実施した。
背景
現在、糖尿病などの生活習慣病の増加に伴い、国民医療費は増大しています。厚生労働省「国民健康・栄養調査(平成28年)」でも糖尿病が強く疑われる者は1,000万人を超えている現状がございます。
食後高血糖状態(140mg/dl以上)が続くと、血糖値を元に戻す働きをするインスリンの分泌に異常をきたすことで糖尿病を発症しやすくなることが問題となっています。そのため、食後の高血糖を抑えるために、野菜の先食べ(ベジタブルファースト)が広く推奨されています。
弊社では、褐藻類であるワカメのひだ状の胞子葉であるメカブに着目し、メカブの先食べが食後の血糖値上昇を抑制すること、さらにその効果は、同量の野菜を先に食べた時よりもはるかに強いことを、今回、日本で初めて見出しました。
*ベジタブルファーストとは*
空腹時の食事で一番最初にご飯や麺類、パンなどの糖質を食べてしまった場合血糖値が急上昇してしまい、それに合わせてインスリンも急激に分泌されます。インスリンには糖質を脂肪に変化させる働きがありますので、食べ過ぎて消費されないと脂肪がつきやすい体質になってしまいます。
ベジタブルファーストとは、食物繊維を多く含む野菜から先に食べることによってインスリンの分泌のスピードを緩め、血糖値の上昇を穏やかにする方法のことです。
【和洋女子大学 多賀准教授のコメント】
今回の試験結果から、メカブ摂取による食後血糖上昇抑制作用が、初めて確認されました。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)に食物繊維の目標量が示されていますが、「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)をみると、70代女性以外は目標量を下回っています。
近年、食物繊維の摂取量が減少している中でメカブは、水溶性食物繊維であるフコイダンやアルギン酸ナトリウムを豊富に含む食品であり、不飽和脂肪酸も多く含むことが知られています。
メカブ摂取による血糖上昇抑制作用が示されたことから、海藻を中心とした和食文化の見直しにもつながればと考え、今後も研究を進めてまいります。
*食物繊維の目標量*
日本人の食事摂取基準(平成27年)では、1日の食事から摂る食物繊維の目標量を、18~69歳では男性20g以上、女性18g以上としています。若いほど摂取が少なく、20代では男女とも目標量の約7割しか摂取できていません。
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