(2017年8月21日現在、同社における植物工場ビジネスは、2015年に設立した子会社であるオーゲツ株式会社が担当している。自社工場では、葉野菜・ハーブの他、エディブルフラワー(食用花)やメロン等の果菜類の栽培にも成功している)
自社のLED光源技術を活用した植物工場を開発するシナジーテックは、アルミの総合メーカーである日本軽金属グループと共同で、白色LEDを利用した「プレハブタイプの小型・植物工場」を開発・販売する。
ハードの部分は、日本軽金属グループの軽量強化アルミを採用。携帯電話の基地局に使われているボックスを植物工場用に改良した。
屋外に設置する基地局は風雨から精密機器を保護するほか、機器が発する熱をコントロールする必要があり、一定の温度管理が必要な植物工場の施設として適している、という。
今回の小型プラントは、過剰設備を取り除き、可能な限りコストを下げるために簡易型なものにしている。プレハブタイプの建物と内部施設の栽培棚、循環ポンプ、LED照明、空調機器をセットにして販売。
一般的な施設サイズは、奥行き2m、高さ2.8mの広さが4m2前後となり、価格は空調機器やポンプなどをすべて合わせて、約200万円~提供可能だという。
照明
白色LEDを使用。1本の照明にはLEDチップを40個実装。2本並べて使用した場合、植物に対して2万ルクス以上の明るさを確保することができる。
LEDの課題(熱問題)
LEDの光自体は熱を発生しないが、パネル部分の内部には熱がこもってしまうのが課題である。こうした課題に対して、内部のパイプに流す「水冷式」を採用。空調機器でも温度調整する。
同社では新規参入企業や農業分野を研究する学校向けに販売することを計画している。小型サイズであり、消費電力が少ないLEDを採用することで、電源は通常のコンセントでまかなえる。
商品には少し大きめの9m2のタイプもあり、栽培する種類や規模に応じて選択できる。据え置きタイプと、キャスター付きの移動式タイプがある。設置に際して、建築確認申請も不要となっている。
シナジーテックは2009年、水冷式の植物工場プラントを開発。社内にて、リーフレタスの他、ミツバやバジル、ミントなどの栽培研究を続けており、一部は無農薬野菜として飲食店に納入している。
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