アサヒグループホールディングス株式会社は、ビール醸造の副産物である酵母細胞壁を有効活用し、環境保全型農業の構築、温室効果ガス排出削減などの環境・社会的課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、新規事業会社「アサヒバイオサイクル株式会社」を設立する。
アサヒグループは「中期経営方針」で掲げる3つの重点課題の一つとして、「サステナビリティの向上を目指したESGへの取り組み強化」を掲げています。具体的には、健康価値を提供する商品の開発、新規技術の導入によるCO2排出量削減などに取り組んでまいります。
※ ESG: 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字
【ビール酵母細胞壁の研究背景】
世界の人口は2050年までに90億人を突破し、現在の1.5倍の食糧が必要になると予想されています。また、バイオ燃料の発展や異常気象などの影響により、今後、ますます人類の食糧確保が重要になっていくと考えられます。
アサヒグループでは、「世界の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献する」ことを経営理念に掲げており、アサヒグループでは、ビール醸造工程で取り除かれるビール酵母の高い栄養価に早くから着目し、胃腸・栄養補給薬「エビオス錠」(指定医薬部外品)や、調味料の原料である「酵母エキス」、家畜の飼料など、人々の健康や豊かな食生活に貢献する商品として活用してきました。
その後、「ビール酵母」の細胞壁がもつ植物の免疫力を引き上げる力に着目し、食品由来の安全・安心な資材の開発を2004年より進めてきました。
開発した資材は、農産物収量の増加や品質の向上、およびゴルフ場や公園施設等の芝の品質の向上を実現できるものであり、これまでの農業や芝管理に携わる方々と連携して取り組むことで新たな技術革新になると考えています。
本資材を用いた技術革新により水田転作地や耕作放棄地を活用し、地域振興を含めた新たな取組を目指していきます。芝管理では食品由来の資材を使用することで施設を管理する方のみならず、施設を利用する全ての人々への安全・安心に貢献できると考えています。
また研究成果として既に水稲収穫量当たりのCO2排出量を約29%削減する効果がわかっており、2015年に国際LCA学会で発表しています。地球温暖化防止へ貢献することが大いに期待できると考えています。
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