マーケットリサーチ会社のfreedoniagroupによると、消毒・殺菌や検査キット、スマートラベルやタグ、関連するソフトウェアや追跡システム(トレーサビリティなど)を含む食品安全ビジネスに対する需要は年間8.1%ずつ成長を続け、2014年には136億ドルにも達すると、報告している。
これは世界的な人口増加による食品・飲料品の需要増加とともに、世界各国の安全性基準が厳しくなることが原因だという。
特に食品安全ビジネスの中で有力視されている市場は、アジア・太平洋地域であり、2014年には世界全体の5分の2を占めるにまで成長すると見られている。
米国は2009年時点では、全体の23%を占めており、今後も大きなマーケットの一つではあるものの、拡大スピードしてはアジアやアフリカ・中東や中央・南アメリカといった地域が上回っている。
特に中国では、政府や消費者、生産者のそれぞれの立場から安全性に関わる法整備が求められており、今後は最大のマーケットになる可能性が高い。
分野としては殺菌・消毒製品が、この市場全体を押し上げていくと予測されている。世界的にも食中毒の発生や食品リコール問題などの発生件数は増加しており、特にインフラが整備されていない途上国では、ますます必要とされるだろう。
一方、インフラや法制度などが整備されている先進国では高価かつ高精度な検査キットやスマートラベル、関連ソフトウェアなどの開発が進み、ますます安全性に投じる費用が増すのではないだろうか。
もちろん簡易的な安全性検査技術は途上国でも必要とされ、特に、食品の輸出産業に重きを置く国々では、輸入国からの安全性に関する強い要求を受けることは間違いなく、今後も世界の食品安全ビジネスが急拡大していく、と予想される。
→ 本レポートの関連資料:世界の食品安全ビジネスの市場規模について(PDF)
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