川崎重工グループの株式会社アーステクニカは、農業分野で豊富な知識を有する株式会社リバネスと植繊機で処理した竹資材(竹パウダー)の有効性検証に関する協同実証実験を開始した。
植繊機は、剪定枝などの植物性廃棄物に膨潤処理(※)を行うことで原料の性状を変化させ、堆肥や肥料、敷料などの農畜産物用資源を製造する機械で、植繊機を通して竹に膨潤処理を行い生産された竹パウダーは、土壌改良剤として農業分野で使用されています。
また、原料となる竹は、強い生命力で成長する特性がありますが、放置された竹が周囲の植生を荒らす竹害が日本各地で起きていることから、対処の必要性が高まっています。
今回の実験では、2019年5月~7月までの間、当社が島根県益田市に提供・設置した当社製植繊機(製品名:植繊機 SM-18-30CR、処理能力 1.6~2.4t/h)で竹パウダーを生産します。
リバネスはその竹パウダーを使用した土壌および農作物(ベビーリーフ)の生育・収穫結果を分析し、産物に与える影響をデータとしてとりまとめ、竹パウダーの土壌改良剤としての有効性を物理的、化学的、生物的検証を通して明らかにしていきます。
当社は植繊機メーカーとして今回の検証に取り組むとともに、両社は蓄積されたデータと検証を通じて竹パウダーのさらなる活用展開の可能性を見出し、植繊機を核に新たに農業・林業・環境分野での社会への貢献と新たなビジネスモデルの構築を目標とします。
※膨潤処理:水分を含む植物性廃棄物を加圧・混練し、圧力を解放することで、膨潤という作用を与えます。
膨潤により、原料の繊維を解繊し、微生物の影響を受けやすい性状へ変化させることで、発酵時間の大幅な短縮のほか、保水性・保肥性が向上するため、堆肥や飼料など、多目的な資源に変質させることができます。
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