ニュージーランドの乳業最大手のフォンテラジャパン株式会社が、フォンテラ社が参画している「ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクト」の、調査対象である放牧酪農家5戸の中間報告を発表した。
「ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクト」は、日本の酪農の収益性を向上させる方法を特定することを目的とした、ニュージーランドの専門家による北海道の放牧の調査だ。本調査はニュージーランド政府、フォンテラ社、ファームエイジ株式会社から資金提供を受け、日本の酪農家と提携し、北海道庁およびホクレン農業協同組合連合会の協力のもとで行っている。
今回の調査内容では農場の生産性と利益を向上させるため、直接的には放牧によって、間接的には牧草サイレージの品質を高めることによって牧草地の利用効率を上げる方法を調査した。草地農業を確立した酪農家らは以下の結果を得られた。
・補助飼料の費用、動物の衛生管理費の削減
・夏季の作業量の低下とそれに伴うライフスタイルの向上
・農場利益の増加
・牛乳の品質向上
また、ある酪農家はすでに、放牧管理の改良により年間利益が300万~400万円増えるという予想を出している。この酪農家は、牛の放牧中の濃厚飼料を従来の7kgから2~3kgにまで削減しつつ、牛乳の生産量を増加させることができた。
調査から得られた日本の酪農の改善点として、日本の酪農家らは牧草給餌の予算の組み方についてもっと学ぶ必要があるという。
同社は来年2017年5月のグラスファーミングスクール及び6月上旬開催予定の公開発表会の場で、今年1年間かけて得られたデータを財務データと共に検証、分析、又前年度と比較し、どのように改善できたかをまとめ、明らかにする予定だ。
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