最近の冷蔵庫は多機能である。光センサーで開閉が少ない夜間には自動的に冷却温度を下げるもの(電力コストの節約)、特定の光を照射することで、生鮮野菜を新鮮なままで長期保存が可能なもの、出来た料理が冷めないように保温効果機能のある冷蔵庫など、多様化する客のニーズに対して、企業側はその全ての要望に応えてきた。
何でも客の要望に応えるならば、「野菜も栽培できればいいのに」という声もあるのではないだろうか。もちろん消費者側の思いつき・自由な発言も含まれており、実際に開発されたとしても購入するかどうかは、しっかりとした事前調査が必要であるだろう。
最近では、家庭菜園を始める人も増え、個人でも購入できる数万円のミニ植物工場(記事一覧)も開発されている。こうした流れに乗り、通常の冷蔵庫の中央部分に、種から葉野菜(ハーブ類やレタスなど)を栽培できるようなシステムを組み込んだ冷蔵庫はないのだろうか。すると、以下のような「キッチン・ガーデン」という商品を発見した(現在、構想中)。
高齢者や若者など単身世帯の増加、多様化するライフスタイル・消費者ニーズに応えるために、小分けにした野菜や調理済みの加工野菜の需要(個食化ニーズ)は高まっている。その他、可能な限り調理を簡素化したいと主張する消費者も増えており、多忙なライフスタイルの中で、買い物の時間も節約し、ネットショップから生鮮野菜を購入する主婦も多いようだ。
こうしたサービス過剰の最終形態が、スーパーに行かずに野菜が自動的に栽培できる「キッチンガーデン・システム」であるだろう。温度・湿度や水量・光量、養液などを自動的に調整できる装置・システムは既に開発されており、冷蔵庫に植物工場や家庭菜園装置を内蔵させることは、現在の技術レベルでも可能である。その他にも、光触媒など生鮮野菜を長期保存できる技術もある。あとは、販売価格やニーズそのものがあるかどうか(売れるかどうか)という問題が残っているが、どちらにしても、面白いアイデアであったので、記事として取り上げてみました。
Editor's Picks
-
田んぼに浮かぶホテルがコンセプト、スイデンテラスがリニューアルオープン
-
緑演舎による造園家がプロデュースする個人住宅向け「GARDENNERS HOUSE」事業をスタート
-
ミラノ都市部で自然に囲まれたオフィス空間を実現。ハイテク企業や研究者のハブ施設へリニューアル
-
シンガポールの高層住宅タワーをリニューアル。屋上には住民参加型の菜園も整備
-
メルボルンに駐車場スペースを活用した屋上農園「スカイファーム」が来年に完成
-
台湾の青果市場、屋上に農場を導入した最新施設として2020年に完成予定
-
ロンドン、屋上に植物工場ファームを併設した地元フードコート施設を開設
-
UAEの陸上養殖ベンチャー『Fish Farm社』サーモンなどの魚を本格販売へ
-
カナダの大学が連携。クリーン・エネルギー技術を活用した『高層タワー型の植物工場』を計画
-
海面上昇の対策、海洋に浮かぶ街「フローティング・シティ」食料やエネルギーの自給自足を実現