ジャム業界の大手、アヲハタ株式会社は、みかんの缶詰加工とオレンジママレードなどのジャム類の製造を目的として、1932年に広島県竹原市忠海で創業した。
「農産加工の美味しさは、その原料によって7割が決まる」という信念のもと、当時すでに、柑橘類の最優良産地であった瀬戸内に位置する当地を選び、産地の真ん中で良質の原料選びと技術中心の経営を進めてきた、という。
ジャム業界では「アヲハタ」は国内トップブランド。中でも、家庭用びん詰ジャム市場での市場占有率は約50%で、低糖度ジャムでは約70%のシェアをほこる。売上高は約196億円(2009年度)となっている。
日本人の嗜好に合わせた商品開発。低糖度ジャムを製造
「アヲハタ」ジャム商品は、国内市場のみに流通している。海外展開が難しいのは、日本と欧米のジャム嗜好の違いがあるからだ。
海外の朝食で出されるジャムは非常に糖度が高く、甘過ぎると感じた人も多いはず。逆に日本の場合は、低糖度ジャムが人気である。
ただし糖度が45~50%以下になると、液体状になってしまい、カビが生えやすいことが最大のデメリットである。同社でも、低糖度ジャムを販売しているが、多くの商品が糖度60%前後となっている。
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