福井県美浜町にて完全人工光型植物工場を運営する株式会社NOUMANN(ノーマン)は8月1日、農業経営改善計画の認定書を交付され、認定農業者となった。
本制度は、生産者による経営の改善を進めようとする計画を市町村が認定し、これらの認定を受けた農業者に対して重点的に支援措置を講じようとするもの。例えば、農業・設備機械の購入補助、税制優遇などを受けることができる。
また同社の植物工場施設は先日「ASIAGAP」も取得した。GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)は、農産物の安全性を示す認証制度であり、日本版認証の「JGAP」や「グローバルGAP」、最近では自治体独自のGAP認証を発行するケースも見受けられる。
こうした中で、「ASIAGAP」はアジア共通のGAP のプラットフォームづくりを目指して、8月1日より「JGAP Advance」が改定・改名され「ASIAGAP」として運用開始されている。
※ 写真: ASIAGAPとJGAPの認証農場マーク例。一般財団法人日本GAP協会プレスリリースより
人工光型植物工場による生産者について、認定農業者、あるいはGAP認証を取得する事例は日本にも数例あるが、この2つを同時に取得した植物工場生産者は同社が全国初となる。
株式会社NOUMANN(ノーマン)は、2016年2月に本格出荷を開始。主にフリルレタス、プリーツレタス、ベビーリーフの他、結球レタスも生産している。
人工光型植物工場にて、試験栽培を除き、商業ベースで結球レタスを生産・定期出荷している施設は現時点(2017年7月末)では同社だけである。その他、同社の商品は福井県美浜町のふるさと納税の対象にもなっている。
同社が運営する植物工場の敷地面積は約13,000m2、工場面積は約3,700m2。生産能力は現在、日産5,000株前後となっている。
生産された商品(野菜)は近年、航空会社ファーストクラスや外資ホテルにも採用され、販路を徐々に拡大させており、将来的には施設内部に確保している空スペースにて、規模拡大をはかっていく計画もある。
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