中国山東省における近代化されたキノコ植物工場

 中国・山東省高密市に位置する恵和きのこ産業園は、青島農業大学の研究者が開発した技術を活用し、中央と地方政府のバックアップのもとに現代化された「きのこ総合産業団地」である。

閉鎖空間の中で湿度などをコントロールした栽培施設内は日本でいう植物工場に近いものがある。広義にとればキノコ栽培も植物工場に分類するケースもある。

中国山東省における近代化されたキノコ植物工場
この団地の総合投資額は160億円あまりで、今現在、主にエノキ茸と椎茸の生産を行っている。例えば、エノキ茸の生産体制は8ラインをフル回転させている。1日あたり25トンの新鮮なエノキ茸を、主に300キロ離れた北京に出荷している。

一方、椎茸の生産体制は主に菌棒(椎茸の原木栽培用)の加工を行なっている。現在、年間700万本の椎茸菌棒が加工され、低温冷蔵した状態で日本と韓国等の外国市場に売り出されている、という(写真は高く積まれているエノキ茸と椎茸植菌棒の様子)。

中国山東省における近代化されたキノコ植物工場
 椎茸用の植菌棒の原材料は、りんごの樹幹と枝が使用されている。りんごの樹幹は豊富な栄養と甘み成分が含まれており、植菌棒には最適である。

地元の周辺は伝統的なりんご産地であり、毎年、廃棄されたりんごの樹幹は安い原材料として重宝されている、という(現場では、りんごの木の廃材が山積みにされていた)。

中国山東省における近代化されたキノコ植物工場
 産業団地では今後、3~5年は中国内需拡大のために生産量の拡大とキノコ品種の開発に力を入れていくという。日本でも食べる機会が増えているキノコだが、中国国内でも、エリンギやマイタケなど数多くのキノコ商品が消費されている。


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