柏市、千葉県、東京大学、千葉大学、三井不動産は7月12日、柏の葉キャンパスシティにおいて本格展開を開始する事業の内容を発表した。「スマートシティ」、「健康長寿都市」、「新産業創造都市」の3分野においてさまざまな施策を実施していく。
柏の葉キャパスシティは、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅を中心とした約273haの敷地に人口約2万6000人の生活拠点を創り出す街づくり計画。柏ゴルフ倶楽部の跡地周辺に、スマートグリッドなどの最新技術を導入したオフィスビルや商業施設、住居ビルを建設するほか、東京大学や千葉大学がキャンパスを開設し、地域住民の協力を得ながら社会実験を行っていく。計画ではオフィスビルや商業施設内には植物工場を実験的に導入していくアイデアもある。
今回発表された3分野のうち、スマートシティに関しては、三井不動産主導の下、日立製作所、住友化学、シャープ、日本ヒューレット・パッカード、SAP、LGなど18社が参加するジョイントベンチャー「スマートシティ企画」により、大学や地元自治体と連携しながらスマートシティを構築する。三井不動産は、町全体での省エネルギー化を進めるスマートシティーとして、太陽光などを活用しながら地域内で電力を一元管理、省エネ効果を高める。本スマートシティーには、170億円を投じ、2014年春の完成を目指している。
148街区を含む駅周辺地域では、マンションや商業施設に設置された建物単位のエネルギー管理システムを統合し、地域レベルで発電量・受電量・消費電量を一元管理する「エリア・エネルギー管理システム(AEMS)」の構築を進めているうえ、200kWの太陽光発電システム、生ごみバイオ発電、ガス発電も導入。さらに発電の排熱、地中熱、温泉熱、太陽熱を空調や給湯に利用するなど、省エネ/創エネに取り組んでいく。
また、新産業創造都市については、まず、東京大学が「東京大学フューチャーセンター」を2013年を目処に148街区に新設。産官学の共同研究と社会実験の全学拠点として活用する予定で、これまで同大学が取り組んできた「超高齢化」、「次世代交通」、「エネルギー創成」などの研究資産を生かすかたちで、周辺の公共機関などを使って実証実験を展開していく。
さらに、千葉大学が2011年6月に開設した環境健康フィールド科学センター内の植物工場において都市型農業の研究も推進。植物工場では、合計床面積1万3350平方メートルの中に長期多段栽培や窒素日施用法などを研究する太陽光利用型が5棟、LECなどを活用して栽培する人工光閉鎖型が2棟設置されており、新たな栽培方法の研究を進めると同時に、植物工場ビジネスを目指す人を対象に施設建設、栽培システム、生産管理、販売/経営などの幅広い研修プログラムの提供も行う。また、一般市民に対して収穫した野菜の試食会なども行い、「見て、食べて、楽しめるコミュニケーション空間」を作っていくという。<参考・詳細資料(掲載写真):日経プレスリリースなど>
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