先日オープンした大阪府立大学の植物工場施設にて、6月1日に初収穫されたレタス1キロが、学内に店舗があるサンドイッチチェーン「サブウェイ」に出荷された。今後は連日、約20キロが収穫できる予定で、デパートなどにも販路を開拓していく、という。大阪府大の工場は栽培と基礎研究の2棟延べ2000平方メートル、総事業費11億円。
大学内にて稼働する植物工場は約39平方メートルで15段の棚に、葉を広げた株が並ぶ。搬送機で棚を移動させてレタスをつみ取る。小さな苗を上段に、生育した株を下段に配置し、成長に応じて適した波長の光を当てる(収穫まで約40日)。
初出荷されたレタスは、柘植広史・日本サブウェイ大阪支店長が試食し「みずみずしさも色もいい」と太鼓判を押した。そして「学産学消をテーマに、今後も植物工場研究センターと共同してメニュー開発に取り組んでいきたい」と話した。今後は、サンドイッチメニュー16種で使用する1日約5キロのレタスを、すべて同センターで調達するとしている。
====2011年4月21日 掲載記事====
4月20日に国内最大規模の研究施設(植物工場研究センター)が大阪府立大学にてオープンし、サンドウィッチ・チェーンのサブウェイが展開する店舗併設型・植物工場モデル2号店(野菜ラボ大阪府立大学店)にて、野菜の試食会も開催された。
サブウェイでは既に、2010年7月に東京にて「野菜ラボ丸ビル店」を運営しており、同モデルでの参入は2店舗目となる。
大阪府立大の中百舌鳥キャンパス(堺市中区)にオープンした植物工場研究センターは、2棟構成で延べ床面積は約2千平方メートル。太陽光を利用しない完全人工光型の研究施設としては国内最大規模となる。8つの実験室からなる研究開発棟では、栽培コストの削減を目指した照明や空調、衛生管理などの技術を研究。別の棟では研究の実証実験の場として、レタス、ハーブ、葉物野菜のアイスプラント、緑化用のコケの4種を栽培する。
センターでの研究には共同研究企業として、食品メーカーや機械メーカーなど約100社が参加している。副センター長の村瀬治比古・府立大工学研究科教授は「ビジネスに直結する技術の研究の場になる。産学の連携で植物の工場生産を産業として飛躍させたい」と話した。<写真・参考記事:産経ニュースなど>