イスラム圏の国々では断食・ラマダンが終わり、各地で祝祭が行われているが、中国では中秋節(9月22日)を迎えるため、大型連休から旅行や長距離移動を計画する人々が増加し、交通機関が混雑することが予想されている。
中秋節には家族揃って円形に食卓を囲み、欠けのない満月のように円い食器で食事をして家族団らんを楽しむ期間である。
また、この時期には「月餅(げっぺい)」を親しい人やお世話になった人に贈る習慣があり、中秋節に月餅はかかせないものだ。
ただし、近年では伝統的な過ごし方をしない人々も増えているようで、月餅も新しいタイプの商品が増えている。例えば、チョコレートやスイーツの月餅、巨大な花やワイン、高級茶葉、そしてフルーツの盛り合わせをセットにした商品が出現している。
また、少し見栄っ張りな国民性から、高級商品も売れ筋であり、スターバックスや高級ホテル・有名ブランドからもオリジナルの月餅が発売されている。
※ スターバックスが発売している月餅
台湾では5,000haにて、文旦(ぶんたん)を栽培
こうした大きな消費が行われる時期に、収穫がなんとか間に合ったのが、台湾の文旦(ぶんたん)である。台湾の今年の出荷量は、去年より22%上昇すると推測されており、生産者もこうした季節的な需要を満たすために大忙しである。
台湾のCouncil of Agricultureによると、輸出量は去年の200トンから今年は500トンにまで増加する、と予測している。
台湾では5,000haもの農地で、文旦を栽培しており、最大の群であるHualienが1,000ha、Tainanでも900haもの果樹園が広がっている。中国への販売量は今年でも既に150トンにもなり、今現在も世界市場に向けて積荷作業に追われている。
そして、この時期にターゲットとなる市場は、中国語を話す国々である。例えば、香港やシンガポール、チャイニーズ・コミュニティのあるカナダなどが販売先となる。
文旦は伝統的にも中秋節の時期と密接に関係しており、国内価格がキロ当たり0.5ドルに対して、海外への輸出価格はキロ当たり0.7ドルと若干ではあるものの、高い価格で販売することができる、という。
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