JA全農と三菱商事、海外市場を狙った農薬製造などの合弁会社を設立

 全国農業協同組合連合会(JA全農)と、三菱商事株式会社は、農薬の登録・製造・販売を行う合弁会社の設立について合意した。新会社となる「Z‐MCクロッププロテクション株式会社(仮称)」は、JA全農と三菱商事が各々50%を出資することによって本年10月に設立され、2018年度より営業を開始します。

JA全農では、農薬のコスト引下げに向けて、保有する農薬原体(※1)の海外および非農耕地(※2)への拡販を通じた需要拡大や、国内におけるジェネリック農薬(後発薬)開発促進を行う必要があり、このため、農薬原体の海外製造・輸出入・登録業務の新たな仕組み作りを検討してきました。

また、三菱商事では、世界的な人口増加に伴い拡大する食料・農業資材需要に応えるべく、インドや中国における農薬の受託製造事業や国内外における販売事業に取り組んでおり、さらなる事業領域の拡大を目指しています。

JA全農および三菱商事は、JA全農の強みである「研究開発機能」や「登録機能(※3)」と、三菱商事の強みである「製造機能」や「海外ネットワーク」の相乗効果を発揮する新会社の設立に合意しました。

新会社では、JA全農が保有する農薬原体を中心に登録と製造を担い、海外および国内非農耕地向けに原体・製剤の拡販を目指すほか、農薬の価格低減に繋がるジェネリック農薬の調達を進めることで、2021年を目処に100億円の事業規模を目指します。


※1 農薬原体:農薬の有効成分。
※2 非農耕地:家庭園芸、ゴルフ場、高速道路および線路脇等、農耕地以外で使用する用途のこと。
※3 登録機能:農薬の製造・販売・使用をする上で必須となる許認可を取得する機能。安全性や効果を実証する様々な試験データを整備する上で、高い専門性が求められる。