富士通、バイタルセンシングバンドを用いてハウス内の熱中症予防対策へ・作業者の体調管理も実施

 富士通は、株式会社スマートアグリカルチャー磐田(SAC iWATA サークイワタ)と、ビニールハウス内での農作業者の状態を把握して安全性の向上を図る実証実験を「ユビキタスウェア バイタルセンシングバンド」を用いて7月から8月の期間、ケールなど葉物野菜を栽培しているSAC iWATAのビニールハウス内で実施する。

富士通、バイタルセンシングバンドを用いてハウス内の熱中症予防対策へ・作業者の体調管理も実施
SAC iWATAでは、高温多湿な夏場のビニールハウス内での農作業における熱中症の予防対策を講じてきましたが、さらなる効果的な取り組みについても検討されてきました。

[関連記事]
富士通・オリックスなど、大型 植物工場のスマートアグリカルチャー磐田を設立

本実証実験では、「バイタルセンシングバンド」を作業者の手首に装着することで、熱ストレス、身体負荷などを推定し、事前に設定した通知条件に該当した場合に管理者へアラームを通知します。

本実証内容を実践することにより、農作業者一人ひとりのデータに基づいた、管理者による状態管理を行う仕組みと、その効果の検証を行います。


■背景
夏場のビニールハウス内は高温多湿な環境であり、熱中症による農作業中の事故が懸念されるため、農作業者の状態管理が重要となります。

SAC iWATAでは、農作業者一人ひとりの体調を事前に把握し作業計画を立てるだけでなく、現場管理者が必ず現場に立ち会い、作業者の体調に異常がないか確認するなど、熱中症の予防対策を講じています。

今回、さらなる対策の強化を図るため、「バイタルセンシングバンド」を用いて、農作業者の状態を見える化し、一人ひとりに合わせた遠隔での状態管理を行う実証実験を、SAC iWATAと実施します。


■実証実験の概要
農作業者の手首に「バイタルセンシングバンド」を装着し、周囲の温湿度と作業者のパルス数から作業者それぞれの熱ストレスレベルを推定します。また、パルス数から算出した、活動による身体負荷レベルを推定します。

これらのデータを当社のIoTデータ活用基盤「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」に収集し、事前に設定した通知条件に該当した場合に管理者のスマートフォンへアラームが通知されます。

これにより、農作業者への休憩の促進や、万が一の事故発生時の迅速な対処など、一人ひとりに合わせた状態の管理を行うことができます。

なお、本実証実験は、「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウドAkisai」の検証・実践の場である当社の「Akisai農場」(沼津工場内)においてもあわせて実施します。


[関連記事]
増田採種場「マスダのケール」ブランドページを開設。健康志向をターゲットにケール需要拡大へ