太陽光利用型植物工場を活用した震災復興事業「さんいちファーム」が倒産へ

 2012年6月に宮城県名取市に太陽光利用型植物工場を建設し、レタスやベビーリーフの水耕栽培による生産を行っていた農業法人「さんいちファーム」が事業を停止し、2015年1月に東京地裁に自己破産を申請する、という。負債総額は約1億4,000万円。

同社は東京の環境コンサルティング会社「リサイクルワン」の支援を受け、現地の農家3名が中心となって設立した会社。

当初はリーフレタス類を中心に生産し、外食業者やスーパーや個人でのネット販売などを行い、初年度の売上高8,000万円。

翌年度以降は1億2,000万円を見込み、単価の高いベビーリーフを主力商品として切り替えたが、思うように販売先を拡大できず、2014年3月期の売上高は約2,7000万円にとどまり、債務超過に陥っていた。

同社が建設した施設の総事業費は約3億5,000万円。うち7割は国や宮城県からの震災対策交付金で賄われた。今後は植物工場施設を民間企業に譲渡し、現地での事業継続を目指す方向で動いている、という。


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倒産後の施設は「センコン物流」が買収

「さんいちファーム」が自己破産を申請した2015年1月から約3カ月後、運送・倉庫業のセンコン物流が、農業法人「さんいちファーム」の3棟合計6,240m2の植物工場を買収した。取得額は非公表だが、1億円以内とみられている。

同社は、本社の敷地内でも3棟の小規模なハウス栽培(610m2)を行っており、大型施設による農業参入の機会をうかがっていた、という。

2015年6月をめどに3つの栽培施設のうち1棟(2,080m2)を稼働させ、トマトやレタス、サンチュの栽培を始める。従業員の一部は引き継ぐ。また、植物工場設備について、内部のシステムは、本社敷地内でも採用している株式会社里山村の低コストタイプに切り替える予定。

現在は名取市内のスーパーや農産物直売所を中心に約20店舗で野菜を販売しているが、今後は首都圏への販路拡大も狙っていく計画。

同社は2014年の秋から農業へ新規参入を果たした。自社敷地内での小規模生産のほか、他社が生産する植物工場野菜や農作物の輸出事業(ロシア向け)も開始している。

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