モテギ洋蘭園、台湾にて蘭ランの植物工場を建設。電気代・人件費の削減と世界市場を狙う

 埼玉県本庄市でランの栽培・販売を手掛ける株式会社モテギ洋蘭園が、大規模な太陽光利用型植物工場を建設し、台湾で栽培を始める。年内にも台南市に農園を建設する。台湾は亜熱帯気候に属し、生育に適している。

電力料金も日本の3分の1程度でコスト削減が可能である、という。まず日本国内向けに生産し、将来は急拡大するアジアの富裕層を開拓する狙いがある。
 ※ 写真は同社の本庄市にある蘭ランの栽培施設。同社WEBサイトより

モテギ洋蘭園、台湾にて蘭ランの植物工場を建設。電気代・人件費の削減と世界市場を狙う
 台湾に現地法人「仁洋蘭園」を設立し、年内にも台南市の農業団地に約3万平方メートル(=3ha)を賃借して農園を建設する。投資額は数億円規模となる見込み。将来は年間60万鉢の生産を目指す。

国内の花き類の生産者が海外進出する例は珍しいという。台湾は亜熱帯気候に属し、ランの栽培が盛んだ。ランは温室で栽培するため、電気を大量に使う。台湾は電力料金も人件費も日本の3分の1程度のため、育成コストを大幅に低減できる。


 ランは苗から出荷までに3~4年かかる。台湾にて管理するのは、苗を育成し、仕上げをする直前までの期間20カ月間となる。その後は、日本に輸出して4~5カ月かけて完成させ、出荷する。

モテギ洋蘭園は、本庄市内に約9000平方メートルの農園を保有する国内最大級の洋ラン生産者。年間20万鉢を生産している。2012年3月期の売上高は6億円を見込む。主に卸売市場を通して販売しているほか、本庄市内では小売りも手掛けている。