天然鉱物を利用した水質浄化剤をエサに混ぜることに成功。中国市場における高級食材・ナマコ養殖に力を入れていく(三共セラミックス)

天然鉱物を用いた水や土壌浄化剤を扱う三共セラミックスは中国の魚介類養殖向け事業を強化する。山東省の企業と合弁会社を設立し、ナマコ稚魚向けに水質浄化剤を混ぜたエサを来年初めに発売し、エビの養殖実験やハタのふ化実験も進めていく、という。日本の技術を用いた養殖魚介類は中国人富裕層らの支持が得られると判断し、市場を開拓する。
 
 
提携先企業である威海吉田農業科技公司と今年8月に設立した合弁会社は「威海三共石源」。資本金200万元(約2450万円)で、三共セラミックスが49%出資した。ナマコは中国では中華料理に使う主要食材で、山東省威海市はナマコ養殖が特に盛んな地域。
 
 
三共セラミックスは中国のナマコ養殖場に腐植土とケイ酸塩鉱物を主成分とする水質浄化剤を販売してきたが、ナマコのエサに混ぜることに成功。ナマコのエサの主成分は昆布の粉などで、全体の0.4%分を混入した。浄化剤にはアミノ酸が含まれるため、ナマコの成育が促され、体内の毒素を吸着してフンとして排出するという。従来の水質浄化剤が出荷できる養殖ナマコの比率を15%から50%程度にまで高めたという。
また、弱電解質の腐植土は還元作用があり、ケイ酸塩鉱物と混ぜ合わせることで雑菌を除去できる。こうした実績も訴え、浄化剤を拡販する。
 
 
新開発した浄化剤を混ぜたエサは1キログラムあたり1万円程度で合弁企業が来年早々にも発売する計画だ。合弁企業は2012年7月期に2500万〜3000万円程度の売上高を目指す。ナマコのほかにエビやハタの養殖でも浄化剤の実験を中国で進める。エビについては養殖池の水質浄化剤として使うほか、エサに混ぜて使うことも検討している。
 
 
中国で高級魚として人気のあるハタは病気に弱く養殖するのが難しいとされる。11月から担当者を中国へ派遣して室内のいけすを使って稚魚を育てる実験を始めた。10〜15センチくらいまで育ったところで養殖業者に引き渡す計画を進めている。同社は中国事業のほかタイでエビ養殖の浄化剤を販売している。12年7月期の売上高は約9000万円の見通し。<参考:日経速報ニュースなど>
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
昭和電工 植物工場 バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー

過去のピックアップ記事

  1. クロレラ培養・加工の八重山殖産が海外輸出拡大、中東市場への参入へ
     微細藻類のクロレラ培養・加工の八重山殖産(沖縄県石垣市)はクロレラの海外輸出を拡大する。このほどイ…
  2. 植物工場による生産・販売事業からの撤退、今後はプラント開発に集中
     検査用LEDのシーシーエスは、新規事業として完全人工光型植物工場による野菜の生産・販売や飲食店経営…
  3. 水の上に浮かぶオランダのハイテク都市型農業。植物工場と畜産による野菜やミルク加工品などを生産
     オランダのロッテルダムでは都市部での食料生産に関する最新プロジェクトが動き出している。水の上に農場…
  4. オーストラリア政府がクリーン技術に1000億円以上の支援。環境配慮型の植物工場にも注目
     オーストラリア政府は、太陽光や風力などの自然エネルギーや省エネ・CO2などの排出削減など、地球環境…
  5. ノース・ダコタ州立大学が約40億円にて植物工場・研究施設を完成
     米国のノース・ダコタ州立大学では最新技術を導入した植物工場が完成した。総投資額は3300万ドル(約…
  6. フィリピンの田んぼアート。ドローン・アグロツーリズムによる若者世代への新たなアプローチ
     フィリピンのお米研究所(Philippine Rice Research Institute)の「…
  7. マレーシア市場におけるイチゴ商品の可能性
     太陽光・人工光型植物工場によるイチゴの生産事例が国内で増えつつある現在、将来的には海外市場への輸出…
  8. 完全人工光型植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」での生産開始
     東芝は、神奈川県横須賀市に所有する遊休施設を利用し、無菌状態の野菜を作る植物工場「東芝クリーンルー…
  9. 台湾における植物工場の市場概要と現状分析(2)
    1.台湾における植物工場の市場概要と現状分析(2) 太陽光型の研究開発も加速。フルーツトマト市場も…
  10. 人工光を利用し、連続光への耐性遺伝子でトマトの収量2割増
     野生種トマトに存在する遺伝子を導入し、栽培種トマトの苗を自然光と人工光の下で1日24時間生育させる…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 植物工場による静岡県内最大の高糖度トマトの施設園芸拠点へ
     静岡県や小山町、生産者ら17団体でつくる「富士小山次世代施設園芸推進コンソーシアム」 は5月下旬か…
  2. ミラノ万博「食と農業の未来」~植物工場・水耕栽培/都市型農業など~
     弊社では2015年5月より5ヶ月間、イタリア北部はミラノで開催されているミラノ万博へ訪問取材を実施…
  3. パンメーカーが昭和電工の植物工場ノウハウを導入・電気代30%カットを実現
     昭和電工株式会社の植物工場システムが、イセタン クール ジャパンSDN.BHD.の運営するクアラル…
  4. インロコ、植物工場による栽培・運営ノウハウを軸に設備販売を本格化
     人工光型植物工場による野菜の生産・販売を行うインターナショナリー・ローカルは、4月から植物工場の施…
ページ上部へ戻る