千葉県内・酒造大手の飯沼本家が農業分野に参入。自社の日本酒製造に利用するコメ・観光農園の運営で収益向上を目指す

千葉県内・酒造大手の飯沼本家は11月25日、農業分野に参入したと発表した。アルコール飲料の多様化や若者の酒離れで、同社の酒造部門の売上高は4年前より26%減少。特に東日本大震災以降は落ち込みが激しく「酒造として生き残るため、農業など基盤の整備を急いだ」(同社・社長)。日本酒製造に使うコメの生産や観光農園の運営で、収益力を高める考えだ
 
 
既に同社では、酒々井町に農業法人「きのえね農園」を設立している。同社の飯沼社長が保有、取得した土地を使い、日本酒を造るための酒米などの作付けをする。現在すでに2000平方メートルにコメを植えており、来年度は1000〜1500平方メートルを追加することを検討している
 
 
「理想を言えば酒造りに使うコメの全量を自社でまかなえるようにしたい」(飯沼社長)。自分たちの手で作ったコメを使うことで、減農薬・無農薬栽培を保証できるなど安全性をアピールできる利点がある。ブルーベリーなどの果樹やサツマイモを植え、観光農園として集客することも考えている。とれた果物を使ったリキュールの開発も視野に入れており、来夏以降には販売に踏み切る予定だ。
 
 
老舗の蔵元ならではの展開もある。歴史ある建物を生かし、2012年中に見学・体験に訪れた観光客への飲食店運営も始める。農園で取れたての野菜を出すなど、相乗効果が狙えるとみる。同社の日本酒製造量は年間約360キロリットルと「10年前の半分以下」になってしまった
 
 
「10年後に酒造として生き残るには生産・加工・販売とトータルでやっていかなければ」との危機感が参入のきっかけとなった。中長期的には農業者の育成や耕作放棄地の解消などにもつなげる考えだ。メーンバンクとして同社の農業参入を支援した千葉興業銀行の青柳俊一頭取は「成田プレミアム・アウトレットが開業すれば、酒々井周辺に新たな商圏ができる」と言及。同地域を成長市場とみて、今後の展開に期待感を示した。(参考:日経ニュースなど)
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場ビジネス・セミナー講義バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. シンガポールでの都市型農業ブーム。自然公園エリアの貸農園も予約待ちへ
     シンガポールの自然公園エリア「ホート・パーク」内に去年の7月より運営を開始している貸農園(レンタル…
  2. 米国の水耕小売企業が垂直型植物工場にて巨大なバジル栽培に挑戦
     人工光植物工場による垂直栽培装置の製造・販売を行うスーパークローゼット・ハイドロポニクス社では、自…
  3. 米国におけるクロマグロの完全養殖 植物工場による環境制御技術の応用可能性も
     野菜の周年栽培を実現する植物工場だが、その環境制御技術は魚の養殖分野にも応用できる可能性がある。米…
  4. オランダによる植物工場野菜やオーガニック食品の輸出が急増
     Bionext organic associationによると、オランダのオーガニック食品の輸出額…
  5. 日清紡による植物工場イチゴ「あぽろべりー」の出荷開始
     完全人工光型植物工場にてイチゴを生産する日清紡ホールディングスが、量産栽培に成功し、近日中の出荷を…
  6. 日清紡がイチゴ植物工場の増設へ 関東・東海エリア需要にも対応
     完全人工光型植物工場にてイチゴの量産に成功している日清紡ホールディングスでは2013年秋頃に、関東…
  7. 台湾・植物工場の市場規模と参入事例調査 2015【調査報告レポート】
    一般社団法人イノプレックスでは、2013年から毎年開催されている台湾の植物工場展示会(Photoni…
  8. 農業版シリコンバレー バイエル社が1200万ドルをかけて研究用の大型植物工場を建設
     バイエル社(バイエル・クロップ・サイエンス社)は、新技術の実証ショールームとして大型の太陽光利用型…
  9. 農業先進国の台湾にて「国際果実・野菜見本市」展示会が11月に開催
     台湾国際果実・野菜専門見本市が11月10日から3日間にわたって開催される(詳細記事/出展企業紹介)…
  10. 日清紡がイチゴ植物工場の増設へ 関東・東海エリア需要にも対応
     完全人工光型植物工場を運営する日清紡ホールディングスの徳島事務所ではイチゴの生産・事業化を進めてお…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 英国における衛星・宇宙産業と農業技術の融合。新たな新技術・産業創出へ
     9月28日にNASAが火星表面にて水が流れていたという確かな証拠を発見したというニュースが報道され…
  2. 愛媛県による新品種「紅い雫」を開発、高級イチゴとして11月下旬より出荷予定
     愛媛県が開発したイチゴの新品種を「紅(あか)い雫(しずく)」と名付け、6月25日に農林水産省へ品種…
  3. 三菱樹脂、サラダほうれん草などの植物工場野菜「ヴェルデプラス」の本格販売開始
     三菱樹脂株式会社は、長浜工場(滋賀県長浜市)内に設置した太陽光利用型植物工場で収穫した野菜のブラン…
  4. JFEエンジニアリングなど、オランダ式の太陽光利用型植物工場にてトマト・ベビーリーフの生産へ
     プラント設計・施工大手のJFEエンジニアリングが北海道・苫小牧市の苫小牧東部工業基地(苫東)で建設…
ページ上部へ戻る