燃料電池自動車向けの「羽田水素ステーション」で回収したCO2を千葉大学の植物工場・トマト栽培施設にて利用開始(東京ガス)

東京ガス株式会社は、同社が地域水素供給インフラ技術・社会実証事業の一環として運営する燃料電池自動車向けの「羽田水素ステーション」(東京都大田区)で回収したCO2を、千葉大学が運営する「農林水産省植物工場千葉大学拠点」に、平成23年12月から供給する水素ステーションで都市ガスから水素を製造する際に発生するCO2を回収して、植物工場で有効利用する試みは世界でも初めて、という。以下、同社のプレスリリースを掲載しておく。
 

東京ガスが「羽田水素ステーション」で回収したCO2を
千葉大学植物工場のトマト栽培施設で利用開始

東京ガスは、「羽田水素ステーション」でCO2を回収し、液化して160kg入りのCO2ボンベに詰めて、千葉大学植物工場に車で運搬します。当面は、敷地面積約1,000m2のトマト栽培施設に、毎月ボンベ2本、約320kgのCO2を供給する予定です。千葉大学植物工場では、運搬した液化CO2を、トマト栽培施設の近くに設置した受け入れ設備で気化し、トマトに与えます。植物の光合成速度はCO2濃度に比例して高まるという性質をふまえ、大気中では約400ppmのCO2濃度を、本共同研究では約1,000ppmまで高めます。人為的にCO2濃度を高めることによって、通常は1m2あたり約40kgであるトマトの年間収量※2を約50kgまで高めることや、甘みが強く品質の高いトマトを生産することが期待できます。
 
本共同研究において、東京ガスは、水素ステーションから回収したCO2を、植物工場等で有効利用するために供給する場合のコストの検討を行います。千葉大学では、主に回収したCO2の植物工場内での有効な利用方法等について研究するとともに、回収CO2を植物に与えることの効果を評価します。東京ガスと千葉大学は、低炭素社会実現のために今できる現実的な取り組みとして、水素ステーションでのCO2の回収、植物工場での有効利用の研究を進めてまいります。
 
※ 地域水素供給インフラ技術・社会実証事業は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募により水素供給・利用技術研究組合(HySUT)が受託した事業で、2015年の燃料電池自動車の普及開始に向けて、実使用に近い条件で燃料電池自動車、水素供給インフラに関する技術実証を行うとともに、ユーザー利便性、事業成立性、社会受容性等を検証し、普及開始に向けての課題を解決するものです。「羽田水素ステーション」でのCO2回収は、地域水素供給インフラ技術・社会実証事業の一環として行っています。

※2: この施設では1年を通してトマトの栽培を行い、年に4回トマトを収穫します。
 

「羽田水素ステーション」について

平成22年12月に開所した「羽田水素ステーション」は、都市ガスから水素を製造し、羽田空港と都心間を運行する燃料電池バスや燃料電池タクシーに、燃料として供給する拠点です。水素は使用時にはCO2を発生しない環境に優しいエネルギーですが、都市ガスから水素を製造する際にはCO2を発生します。「羽田水素ステーション」では、水素製造時に発生するCO2を分離・回収し、1時間に約10kgのCO2を液化する実証を行っておりますが、回収したCO2の有効利用が課題となっていました。なお、回収したCO2の植物工場への運搬および供給については、東京ガスが東京ガスケミカル株式会社(社長:鏑木正)に委託して行います。
 

「農林水産省植物工場千葉大学拠点」(千葉大学植物工場)について
平成23年6月に開所した千葉大学植物工場は、「人と環境に優しい高品質・高収量・計画的植物生産」をテーマとした1.3ヘクタールの大規模な研究機関で、農林水産省の「モデルハウス型植物工場実証・展示・研修事業」に採択されています。急激な農家人口の減少と高齢化が進む中で、野菜等の食料を安定的に周年生産する植物工場を国内に普及・拡大させることを事業の目的としています。

千葉大学では、これまで十分でなかった植物工場でのCO2利用の効果を検証し、植物工場内の冷房や換気も考慮した最適なCO2供給手法を研究します。それらの成果は広く施設園芸全体に活用し、CO2の有効利用の輪を広げていきます。さらに、将来的には水素ステーションに隣接した植物工場の可能性等についても模索していく予定です。 <同社プレスリリースより>

 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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