希少糖を活用した農薬・肥料開発へ<香川大/三井化学アグロ/四国総研など>レタス・トマト等の養液栽培における成長促進や病害防除効果が確認

香川大学、農薬メーカーの三井化学アグロ、四国電力子会社の四国総合研究所は、自然界にまれにしか存在しない希少糖を使った農薬や肥料を開発するこれまでの研究で病害防除や生育促進などの効果を確認しており、研究結果をもとに2013年度をメドに実用化を目指す。このほど、独立行政法人の農業・食品産業技術総合研究機構から「イノベーション創出基礎的研究推進事業」の発展型研究に認定された。11年度から3年間、6千万円を上限に助成を受け、実用化の研究を進める。
 
 
これまでの研究では、希少糖の農業分野での効果が明らかになった。レタスの養液栽培では、希少糖の一種「D-プシコース」を肥料溶液に添加すると、従来比1.2倍に生育を促進したり立ち枯れ病を防いだりする効果が明らかになった。また、トマト栽培では「D-プシコース」を添加することで高糖度のトマトができた。収量も従来の塩分を添加する方法よりも多かった。
 
 
この他にも、別の種類の希少糖である「D-タガトース」の添加による病害防除効果や「D-アロース」のイチゴ炭そ病防除効果も明らかになっており、今後は実用化に向けて、農薬や肥料として使う際の適度な希少糖の濃度や大量生産の方法などを研究する。また農薬として使う際に必要になる、農薬取締法に基づいた登録など、実務面での作業も進めていく。
 
 
四国総研の石田豊・バイオ研究部長は「タガトースなどは食品にも使われており、希少糖を活用できれば安全な農薬になる」と期待を寄せる。香川県では、希少糖を使ったバイオ産業育成の動きが進んでいる。食品分野では希少糖を使った甘味料「レアシュガースウィート」を産学連携で開発し、食品メーカーへの提供を始めた。食品関連の松谷化学工業は、香川県宇多津町に10億円を投資して今年度から工場を建設する予定で、県内の投資や雇用創出につながっている。香川大医学部などでは、医療分野で応用研究が進んでいる。農業分野でも実用化が進めば新たな産業を生み出す契機になると期待される。<参考:日本経済新聞より>