山梨県のワインファームでセンサー技術を活用/収集データを分析し、ブドウの最適収穫時期を判別、作業者の工数削減や害虫の発生予測にも活用(富士通)

富士通は、夢郷葡萄研究所が所有する山梨県のブドウ畑において、センサーを用いた圃場データの収集・分析の実証実験を2011年6月〜9月末まで実施すると発表した。実験では、離れた2カ所のブドウ畑と圃場管理事務所に温度センサーと簡易カメラが一体となったセンサーボックスを設置し、それぞれの畑の気温データとブドウの画像を管理事務所で24時間、10分間隔で収集する。収集したデータをパソコンで分析することで、ブドウの最適な収穫時期や色素の度合いの見極めに活用するという。
 
 
ワインの醸造には、ブドウの収穫時期や色素の度合いを見極めることが重要であり、ブドウ農園における気温の変化を把握することが有効。これまでは、ブドウ農園に設置した記録式温度計より記録紙を持ち帰り、手計算により集計し分析する方法が一般的だったという。
 
 
ブドウ畑と管理事務所との通信には、特定小電力無線ネットワークを用いてデータを収集する。これにより、ブドウ農園に出向くことなく、管理事務所においてブドウの収穫時期や色素の度合いの見極めができるようになり、作業者の工数削減に加え、病害や害虫の発生の予測にも活用することで、ブドウの品質向上も期待されるという。以下、同社のプレスリリースを掲載しておく。

山梨県のワインファームでセンサーを活用した農業支援を開始
当社は、農業生産法人「有限会社夢郷葡萄研究所(山梨県甲州市、代表取締役:中村雅量、以下、夢郷葡萄研究所)」の所有するブドウ畑において、当社が開発したセンサーを用いた圃場データの収集・分析の実証実験を2011年6月より9月末まで実施します。
  
離れた2ケ所のブドウ畑と圃場管理事務所に温度センサーと簡易カメラが一体となったセンサーボックスを設置し、それぞれの畑の気温データとブドウの画像を管理事務所で収集します。収集したデータをパソコンで分析することで、ブドウの最適な収穫時期や色素の度合いの見極めに活用します。
 
当社は、山梨県が推進する「やまなし企業の農園づくり」制度を利用し、夢郷葡萄研究所と2010年3月に協働協定を結び、夢郷葡萄研究所が所有するブドウ農園の一画を「富士通GP2020ワインファーム(注1)」として社員やその家族がブドウの育成を体験する活動を実施しています。
 
ワインの醸造には、ブドウの収穫時期や色素の度合いを見極めることが重要であり、ブドウ農園における気温の変化を把握することが有効であるといわれています。これまで、気温データの収集・分析には、ブドウ農園に設置した記録式温度計より記録紙を持ち帰り、手計算により集計し分析する方法が一般的でした。
 
今回、当社が開発したセンサーボックスと特定小電力無線(注2)ネットワークを用いて、ブドウ農園の気温データの収集・分析を行うことが可能となりました。これにより、ブドウ農園に出向くことなく、管理事務所においてブドウの収穫時期や色素の度合いの見極めができるようになり、作業者の工数削減に加え、病害や害虫の発生の予測にも活用することで、ブドウの品質向上も期待されます。また、無線従事者の免許取得が不要で通信費用もかからないことから、短納期かつ低コストでの構築・運用が可能です。
 
注1 GP2020(Green Policy 2020):
2020年をターゲットとする富士通グループの中期環境ビジョン。地球環境問題の解決に向けて、富士通グループが果たすべき役割と方向性を示したもので、3つの目標の一つに「生物多様性の保全」を揚げている。
注2 特定小電力無線:
電波法施行規制第6条で規定される、データ通信に用いられる免許を要しない無線の一種。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

大和ハウス工業 アグリキューブ 植物工場バナー
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場設備販売(人工光型)_バナー

過去のピックアップ記事

  1. 日清紡がイチゴ植物工場の増設へ 関東・東海エリア需要にも対応
     完全人工光型植物工場にてイチゴの量産に成功している日清紡ホールディングスでは2013年秋頃に、関東…
  2. 韓国ソウル市の「地産地消型クッキング講座」。屋上ファームと料理教室の融合サービス
    都市部住民をターゲットに「ルッコラ」をテーマにした屋上キッチン教室を開催  ソウルの広興倉駅の近く…
  3. JR東日本グループ、太陽光利用型植物工場トマトを様々なメニューで採用。六次産業化による地域活性化も
     JR東日本グループでは、農業を通じたものづくりの一環として、太陽光利用型植物工場を運営する「JRと…
  4. 野菜価格高騰からスプレッドによるミニ野菜商品の生産拡大
     完全人工光型植物工場を運営するスプレッドでは露地野菜の価格高騰を受け、ミニ植物工場野菜「ベジタスミ…
  5. 未来の農業コンセプト、ピラミッド型の垂直農場
     都市型農業(アーバンファーム)として、コロンビア大学のDickson Despommier氏などを…
  6. イベント報告、フェアリーエンジェル植物工場の試食見学会
     コンテナ型植物工場のカタール企業への納入というプラスのニュース(関連記事:三菱化学など、太陽光パネ…
  7. 英国政府、アグリ技術の事業化支援に30億円を投資
     約125億円の規模をもつ大型官民ファンドのアグリテック・カタリストでは、イギリス国内に蓄積されてい…
  8. スプレッドがアフリカ地域への植物工場システム導入の可能性を検討
     完全人工光型植物工場を運営する株式会社スプレッドでは、植物工場の導入を希望するコンゴ民主共和国の要…
  9. タイのショッピングモールでの屋上菜園。環境志向型アグリビルディングの実証スタート
     タイのチュラーロンコーン大学が約2000万円を投じて、7階建てのショッピングモール(サイアム・スク…
  10. 郵船商事による植物工場が福井に完成、1日1万株の大規模・人工光型施設へ
     郵船商事株式会社は、2014年10月より福井県敦賀市において植物工場建設を進めており、4月10日に…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 多段式システムでカニを栽培、革新的な生産技術によりシンガポールの食料問題の解決へ
     食料の国内自給率向上を目指すシンガポールでは限られた国土面積であることから、政府が生産品目の選択と…
  2. 米国ユタ州でも植物工場ベンチャーが設立。地産地消ブームを背景に、コンテナ型設備の販売を目指す
     米国ユタ州のパークシティでも、植物工場ベンチャーが立ち上がった。以前まで人工光を利用した室内水耕栽…
  3. 三菱樹脂、サラダほうれん草などの植物工場野菜「ヴェルデプラス」の本格販売開始
     三菱樹脂株式会社は、長浜工場(滋賀県長浜市)内に設置した太陽光利用型植物工場で収穫した野菜のブラン…
  4. 植物ストレスホルモンを制御する新化合物の開発、乾燥ストレスによる生産性低下の緩和も
     静岡大学の轟 泰司教授および博士課程の竹内 純大学院生と、鳥取大学の岡本 昌憲助教らは、植物のスト…
ページ上部へ戻る