低コスト・生産性の高い都市型農業栽培方式により、学校の給食コスト削減。新鮮野菜で 肥満や栄養失調の子供たちを救うソーシャルビジネス<Home Town Farms>

Home Town Farmsでは、特に地価の高い都市部を中心に、狭いスペースでも栽培可能な生産性の高い水耕栽培方式を採用することで、周辺地域の学校に対して新鮮で栄養価の高い野菜・果物を提供し、肥満や栄養失調の子供たちを、より健康にさせるプロジェクトを進めている。
 
 
米国における学校給食は問題が山積みである。例えばニューヨーク州の貧困エリアにある学校は給食自体を実施していない場合があり、昼食を抜く子供たちも多い。その他、たとえ裕福な家庭でも、学校給食がない場合は、ジャンクフードや加工品を持ってくる子供たちも多いようだ。また、学校側にも問題があり、給食を実施している所でも、提供する料理に野菜や果物を、ほとんど使用しておらず、子供たちの栄養やカロリー計算が実施されていないのが現状である
 
 
しかし近年では、米国大統領夫人のミシェル・オバマ、メディアでも有名な料理人ジェイミー・オリヴァーなど、子供たちの食習慣を変えようと熱心に活動する有名人も現れ、少しずつではあるが、こうした学校給食の重要性にも注目が集まり始めている。例えば、2010年12月、米国議会が「子供の健康増進と貧困撲滅」に関する法案を通していることも、こうした流れの一つであるだろう。
 

 
Home Town Farmsでは、増加する米国の肥満児や栄養失調の子供たちに対して、学校給食を通して、より健康な食事を提供することで、こうした問題の解決に寄与しよう、と活動している。同社では、地価の高い都市部を中心に、狭いスペースでも栽培可能なように、トマトやきゅうりなどの果実類は垂直式に水耕栽培を採用し、葉野菜も多段式水耕栽培(こちらは実験段階)を提案している。
 
 
同社によると、養液を完全循環式にすることで、従来の露地栽培と比較して、水使用量は85%、肥料使用量80%、栽培スペースも70%の削減が実現できる、と主張している。子供の人口が多く、学校が密集する都市部に設置することで、新鮮な地産地消食材(ローカルフード)を提供でき、わざわざ遠方から収穫し、加工した商品を購入する必要がなくなる特に都市部の学校では、数千マイルもの遠方から食料を購入・輸送している場合も多く、同社によると、従来の90%もの輸送燃料コストを削減できた、という。
 
 
また、こうした地産地消(ローカルフード)の推進は現地雇用を生み出し、子供たちの食育・教育面での効果も考えられる。農作物がどうやって栽培され、自分が食べている料理について、「食」のプロセスを学び、時には遠足や課外授業の一環で、栽培現場を見学することも可能であるだろう
 
 
既に同社は、カリフォルニア州のサンディエゴのEncinitas Union School地区にある約2ヘクタールの土地を活用して、垂直式・水耕栽培による果実類(葉野菜の多段式栽培)の施設建設に向けて動きだしている。ここで栽培された農作物は、周辺の学校へ「スクール・ランチ・プログラム」として提供する予定である。州によっては、学校や教育機関が子供たちの「食育・給食サービス」に関係するプログラムや農作物の生産施設建設のために、多くの補助金・助成金があり、今後も同様のモデル事例が増えていくことが予想される。
 
Home Town Farmsの紹介動画について

 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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