千葉大学チームが、ソーラーデカスロン・ヨーロッパの20チームに選定。伝統的な家屋・日本文化に植物工場を導入した次世代型ソーラー住宅を建設

千葉大学工学部建築学科を中心に進めていたソーラーデカスロン・ヨーロッパのプロジェクトについて、以下では追加情報を掲載しておく。
提案住宅「Omotenashi House」では、室内に小型の「植物工場」を設置し、昼間は太陽光、夜間は発光ダイオード(LED)照明で野菜を栽培する。建物の前面には水田も整備し食料供給に役立て屋上に約140平方メートル、出力10キロワットのソーラーパネルを設置、住宅で使うエネルギーを賄う、というモデルを提案している。
 
今年9月には実施設計を完了。年内には千葉大キャンパス内にモデル住宅を建設する。来年7月に建材を日本から海上輸送し、現地で組み立てる。コンペの参加費用は約8千万円。既に積水ハウスが協賛を決めており今後、ソーラーパネルメーカーなどにも協力を呼びかける。今回の住宅設計で得られたノウハウは協賛企業にもフィードバックされる、という。<参考:日本経済新聞より>

 
千葉大学工学部建築学科を中心に進めていたソーラーデカスロン・ヨーロッパのプロジェクト案が15カ国、応募数33チーム(47大学)からスペイン・マドリッドで実際に建設する20チームに選定された。選定は、日本では唯一であり、ソーラーデカスロンが始まってから初めてのことである。
 
 
ソーラーデカスロン(ヨーロッパ)は世界の20の大学が、ソーラー住宅を建設して総合的な優劣を競う競技米国・エネルギー省が主催となって2002年に開始されたコンペである(米国・エネルギー省のデカスロンサイト)。ヨーロッパでも、連携しながら開催されており、2010年に次いで2回目という(ヨーロッパ・デカスロン)。
 
 
今回、千葉大学の応募案は、日本の伝統的な家屋をベースに、軒の深い縁側や大きく開放できる窓、畳や障子などを計画し、日本の文化を織り込んだもの。屋根にはソーラーパネルを設置し、屋内には、千葉大学で行われている先進的な研究で注目されている「植物工場」を、ソーラーハウスと組み合わせて提案している。今後、医学部、園芸学部、教育学部など他の学部の協力を得て、全学をあげての組織体制を強化し、2012年の建設に向けプロジェクトを進める予定だという。
 
 
競技は2段階方式。最初は書類審査で20大学が選定され、次段階でマドリッドにソーラー住宅建設。2012年6月に実住宅の審査があり順位を決定。競技の最大の特徴は、大学が応募し、プロジェクトの主体は学生であること。プロジェクトの推進に国の協力や参加企業などを募りながら、大学では教員がアドバイサーとして参加し、大学内の教育プログラムに組みプロジェクトを進めていく。
 
 
現地審査での審査項目は、太陽エネルギーの利用以外に、デザイン性、図面等の書類と建設だけでなく、市場性、WEBによる提案内容のPRなど計10項目ある。以下では過去の受賞プランなどを掲載しておく(参考:千葉大学・リリース文より)
 

<今回の千葉大学チームの応募プラン:参考facebookページ

<過去の提案プランなど>