電子部品エヌ・イー・ワークスの農事業モデル/高齢者に在宅で押し花の加工作業を委託・首都圏のレストランへ出荷(地域雇用につながるソーシャルビジネス)

電子部品製造の有限会社エヌ・イー・ワークス(島根県奥出雲町)は6月から、地元産の食用押し花を首都圏をはじめ全国の飲食店や菓子メーカーなどに出荷する。地元の高齢者らに機械を貸し出し、在宅で加工を委託する。高齢化・過疎化が進む中山間地域の活性化にもつながるユニークな事業モデルとして注目を集めている。
 

同社はタッチパネル向けなど精密電子部品の製造を手掛けている企業である。副業として地元産の食用花などを使った和洋菓子を全国で販売してきたが、花だけを売ってほしいというニーズが首都圏の料理店などから高まっていた。今回、ビオラやアジサイなど地元で育てた花を乾燥させ、押し花の状態で出荷する。花は料理の彩りなどに使う。生花より保存がきくようになる
 
 
生花を押し花に加工する作業は地域の高齢者らに委託。同社の所在地である奥出雲町は4月1日現在の人口が1万4674人と1985年以降2割強減少した。65歳以上の割合が約4割を占める中山間地で、農業以外に産業が乏しく、過疎化とともに低収入の高齢者世帯の増加が深刻になっている
 
 
同社は昨年来、近隣に住む55〜70歳の高齢者7人に押し花への加工に使う機械を貸し出し、試験的に作業の委託を開始した。加工した花は同社が買い取り、自社でつくる菓子の材料などに使ってきた。加工者1人当たりの押し花販売収入は月15万円になるケースもあったという。また、押し花の生産時期はこれまで春から秋にかけての生花収穫期に限られていた。全国出荷に向け同社は、生産時期を通年に拡大するため温度管理などができる水耕栽培プラントを秋にも完成させる
 
 
こうした水耕プラントによる建設により、これまで年間150万枚だった生産量を2000万枚以上に増やせるという。加工に携わる地域住民も20人程度に増やす。全国料理店などへの販売額は月間700万〜800万円程度を見込む。同社が展開するビジネスについて、社会的価値と経済的価値(収益)を両立可能な成功モデルとして確立することを期待している。<参考:日本経済新聞より>
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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