商店街などの空き店舗を利用した農業ビジネス(植物工場や八百屋・マルシェ/健康ビジネスとの融合・産直八百屋とヨガをコラボさせた事例)

特に地方では、駅前メインストリートにある商店街すら活気がなく、多くの空き店舗を発見することができる。都市部でも地方でも、こうした商店街の活性化を目的に農業や植物工場といったアプローチから事業を再生していこうとする事例が近年では増えており、今回はいくつかご紹介したい、と思う。
 
 
例えば、商店街の空き店舗を活用した水耕栽培(簡易的)併設カフェ、栽培実験の様子をウィンドウ・ディスプレイとして活用する事例、直売所を開設し、地域住民とのコミュニティの場としても機能させる事例、さらには健康志向の客を取り込み、直売所とヨガを融合させた画期的なビジネスを展開する事例などがある。
 

写真:城西科学株式会社の実験的な設置写真/同社では植物工場事業のためにリレーションズ株式会社を設立、太陽光利用型/完全閉鎖・人工光型など、様々な植物工場・施設園芸業務に対応し、生産した野菜の加工(真空凍結乾燥)も行っている。

 
 
また、「直売所・八百屋とヨガスタジオをコラボレーションさせた日本初のお店」を展開するアグリマス(株)の事例も非常に画期的な事業モデルである。同社は、麻布十番、東麻布、中目黒など、首都圏10数カ所にて、旬採産直八百屋「東京マルシェ」を開催している企業である
 
今回の産直とヨガを融合させた店舗では、既存の建物を活用しながらローコストで小規模スペース(9坪)を有効的に活用している。直売所の奥には、古材で温かみをプラスした快適な空間にて、マンツーマンや個別指導が対応可能なヨガ・レッスンを受けることができる<ヨガ予約サイト。病気にならない健康な体、薬にたよらない本物の健康を提案する同社の思いを形にした事業である。



 
 
この他にも、山形県鶴岡市では以下のような商店街の空き店舗を利用した八百屋をオープンさせ、地域住民のコミュニティの場としても機能させようとする取り組みも行われている。以下、関連記事を掲載しておく。

鶴岡市上藤島のJR藤島駅前で、地元の若手農業者が空き店舗を利用して八百屋を始め、周辺住民から喜ばれている。近所にあったスーパーが約10年前に郊外に移転するなど空洞化が進み、高齢者らは“買い物難民”になりつつあった。利用者たちは「近所の人と顔を合わせるのも楽しみ」と交流の場の復活を喜び、毎日のように足を運ぶ人も少なくないという。
 
この八百屋は「小玉や」。昨年6月まで同じ店名の小売酒販店だったが、廃業し、空き店舗になっていた。ここを、法人化して花きを生産・販売している冨樫正興さん(44)=同市平形=が借り、店名はそのままに今年3月末に八百屋としてオープンさせた。元店主の小玉清さん(73)=上藤島=を含む4人を雇用、仕入れや販売で働いてもらっている。
 
商品は当初、自らが作る花と地元産を中心にした野菜だけだったが、利用者の要望に応じて肉や魚、豆腐、調味料、駄菓子など次第に充実。毎週金・土・日曜日の午前6時からは「朝市」を開いて人気を呼び、経営は軌道に乗りつつあるという。
 
冨樫さんは「駅前は次々に店が閉まり、シャッター通りになってしまった。車を運転できない高齢者など買い物に困っている人も多く、地元の人間として何とかしたいと思っていた」と八百屋を始めた理由を語る。同店では、▽スーパーにないフットワークの軽さ▽コンビニにない地元の生鮮食品▽自分で作る花▽客から「・・を置いてほしい」と言われれば、可能な限り応える、といった特徴がある。
 
生産者については、自らも花を生産・販売している立場から、「売り上げに応じた歩合より、現金で買い取る方が安心して取引できる」との考えで、納品のときに直接支払う。その心意気を買う意味もあるのか、多くがその場で肉や魚など商品を買ってくれ、「ほとんど物々交換」(冨樫さん)という。
 
夕方にはひっきりなしに客が来て、お互いに楽しそうにおしゃべりする。冨樫さんはその様子を「これが最高。スーパーではあまり見掛けない光景でしょ」と自慢げ。ほぼ毎日買い物に来るという近所の常連客の女性(72)は「駅前がにぎやかになって良かった。近所の人と顔を合わせる機会も減っていたが、憩いの場が復活した。特に朝市のときはみんなに会えるので楽しい」と喜ぶ。
 
小玉さんは「お客さんがたくさん来るのでうれしい。店を閉めたころは体調を崩していたが、今はみんなに『元気になった』と言われる。実際に元気をもらった」とする。冨樫さんは「お客さんは近所の高齢者が多い。値引きしようとすると、『いい』と断る人もいる。『頑張れ』という意味だと思う。地域の人たちがつくりあげてきた店。必要とされているし、やろうと思えばできると確信。生産者と消費者双方を大事にする地産地消の在り方としても重要では。次は駄菓子屋や総菜屋も」と夢を膨らませている。 <荘内日報ニュースより>

 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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