商品の7割に使用する甘草、ツムラでは中国企業(大学)と連携して現地での栽培化に成功・中国での特許取得完了

レアプラント(希少品種・植物)として注目されている甘草について、ツムラでは2001年から中国にて栽培化に関する研究を開始。今回、同社では日本の医薬品規格基準にかなう成分量(主成分:グリチルリチン2.5%以上)を超える甘草を、従来の栽培期間3年から1年3カ月に短縮させる栽培に成功した。以下では同社のプレスリリース・関連記事を掲載しておく。
 
 
甘草は、ツムラの漢方薬の94種類に使われている(同社の漢方薬のうち約7割で使用する主要な原料, ほぼ全量を中国の野生種・甘草を輸入している)。従来は野生の甘草に依存してきたが、乱獲による資源量の枯渇が懸念されていた。また、中国では1995年に野生の甘草の輸出が規制される一方、中国国内の需要が伸びており、今後は調達が難しくなる懸念が強まっていた。今回、同社は主成分のグリチルリチン酸含量3.5%を超える甘草を栽培することに成功し、栽培期間も従来の3年から1年3カ月に短縮できた。
 
 
本プロジェクトは、中国医薬保健品股分、北京中医薬大学との共同研究の成果。2001年から栽培化に着手したが、日本の医薬品規格基準にかなう成分量を満たせなかった。自生地を調査し、粘土質の土壌にするなど条件を整え、主成分のグリチルリチン酸含量を平均3.5%に高めるなど規格を満たした。大型機械を導入し、すでに約70ヘクタールでの栽培と一部収穫に成功しており4月18日に中国での特許取得を発表。以下、プレスリリースを掲載(写真は同社プレスリリースより)。
 


 

株式会社ツムラ(本社:東京都、社長:芳井順一)は、中国医薬保健品股份有限公司(以下、「中国医保公司」という)、北京中医薬大学との共同研究により、漢方薬の原料生薬である「甘草(カンゾウ)」の栽培技術を確立し、中国において、特許権の登録手続きを完了しました。
 
甘草は、医薬品、食品、化粧品などの原料として使用される重要な生薬ですが、そのほ
とんどは、中国北部の乾燥地帯に自生している野生品に依存しているのが現状です。そのため、甘草の需要増加に伴い、乱獲による砂漠化や資源量の枯渇が心配され、甘草の栽培化を実現することは非常に重要な課題でした。
 
当社は、2001 年から中国において甘草の栽培化に関する共同研究を実施してまいりました。甘草の栽培そのものは、それほど難しいことではありませんが、医療用漢方製剤の原料として考えた場合、日本薬局方の規格に適合することが必須条件であり、その中でも主成分であるグリチルリチン酸含量2.5%以上の条件を満足させることが、これまでは大変難しい課題でした。
 
10 年間にわたる共同研究の中で、様々な栽培条件を設定し、規格を満たすべく取組んだ結果、中国西北部の圃場において、1 年3 か月の生育期間でグリチルリチン酸含量が平均3.5%を超える甘草を栽培することに成功しました。また、野生甘草と栽培品の成分組成が同等であることも確認しています。
 
この栽培方法については、中国特許庁から特許権を付与する旨の通知書を受領し、登録手続きを完了しました。当社では、中国における甘草栽培拡大のため、特許権の実施許諾要請があった場合、共同出願人である中国医保公司、北京中医薬大学と話し合いの上、無償で許諾する方針です。また、栽培研究の中では、大規模栽培を想定した機械化の検討もあわせて行い、今後の栽培に取入れる目処をつけることができました。

 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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