言語・文化的な理解・知識があり、中国との農業事業を進めるシンガポール。中国市場への足がかりが欲しい中東諸国

小国シンガポールの貿易・投資促進を目的に設立したInternational Enterprises Singapore(IEシンガポール)という政府機関によると、中国との言語・文化的にも理解があり、ジョイント・ベンチャーをはじめ、中国とのビジネスに関する専門知識やネットワークがあるシンガポール企業に対して、UAEをはじめとするGCC諸国は投資対象として、非常に高い関心を持っている、という。
 
 
投資としての魅力は、シンガポール企業が持つ中国ビジネスに関する知識とネットワークであり、シンガポール企業への投資を進めながら、将来的には中国における巨大フード・サプライチェーンを獲得する、といった狙いがあるようだ。そこで最近では、UAEとシンガポール企業による共同フォーラムが定期的に開催されている。
 
 
例えば、保険・不動産開発から家電や小売分野にまで進出している巨大コングロマリッド企業であるAl Futtaim Groupもシンガポール企業への投資・共同事業を進めていきたいと考えている企業の一つ。Al Futtaim Groupは、巨大スーパー・チェーンのカルフールやデザイン家具で有名なIKEAなどのUAEにおけるフランチャイズ展開・有名企業とのジョイントベンチャー等も行っており、食料確保のための農業ビジネスに強い関心があるようだ。
 
 
シンガポール企業は近年、中国との農業事業に対して積極的である。例えば、政府もバックアップしている吉林フードゾーン(Jilin Food Zone)では、巨大農地を確保し、穀物や野菜・果物といった農作物の生産を中国とのジョイント・ベンチャーにて行っていく予定である。吉林省は、肥沃な土壌と水資源が豊富であり、日照量も長いことから、トウモロコシや小麦、大豆や有機栽培による果物・野菜などの生産には最適な地域である。このフードゾーンは、シンガポール国内にある農地面積の200倍にあたる1450キロ平方メートルにも及び、全体的な予算としては184億ドルにもなる巨大プロジェクトである
 

 
シンガポール国内の食料自給は深刻で、国土面積710平方キロメートルの約1%にあたる7.34平方キロメートルを農地にしているが、都市化に伴い国内農地は徐々に縮小している。よって、国内で生産する食料といえば、鶏や卵、魚や野菜などに限られており、大半を周辺のマレーシアやインドネシアから輸入している(リスク分散のために、最近はブラジルやその他のラテンアメリカ諸国からの輸入も開始した)。
 
 
今回の吉林フードゾーン(Jilin Food Zone)にて生産した食料は、北京や上海といった中国国内の大都市部、さらには周辺諸国の都市部にも輸出する計画であり、シンガポールは今後もさらなる農業事業を中国企業と進めていくという。
 
 

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植物工場・農業ビジネス編集部

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