新規事業として植物工場に取り組む日本蓄電器工業。春からは規模拡大・日産300株ほどの生産体制へ

アルミ電解コンデンサ用電極はくの専業メーカーである日本蓄電器工業は2010年春から、設計や生産管理を専門とする4人の技術者を中心に、植物工場によるレタスなど葉物野菜の生産を開始している。同社では、野菜の栽培にものづくりの発想を持ち込み、第2の事業の柱に育てたいと考えている。
 
 
工場は本社敷地内に設置。物置として利用していた旧工場の一画に建設している。無菌ルームにしており、6.5m×6.5mの栽培ルーム内に、多段式の水耕栽培にて、サラダ菜やシソ、バジルなど約10種類を栽培している
 
 
社内に新規事業開発部を設立したのは2009年の夏。植物工場の提案者でリーダーでもある木下輝彦シニアマネージャーは、事業をスムーズに立ち上げるため、植物工場の運営で実績のあるリバネスと連携して取り組むことにした。こちらも植物生理学や植物病理学の博士号取得者などで組織する理系集団。サンドイッチチェーンの日本サブウェイが進める植物工場併設の店づくりにも関わっている。<店舗併設型・植物工場の記事はこちら
 
 
葉物野菜は、室内の温度や光のあて方、養分の与え方によって成長日数はもちろん、味や色、柔らかさなどが変わってくる。光ひとつをとってもどんな光がよいのか、どのようなあて方がいいのか。さまざまな検証を経て、レタスの一種であるフリルアイスの栽培日数は当初の49日から45日まで短縮できた。現在は多くの品種での実験栽培を行っており、データの蓄積や生産現場における栽培システムの改善に取り組んでいる。
 
 
設計部門から異動した山口友紀アシスタントマネージャーは、工場設備の改善に取り組んでいる。植物と蛍光灯との距離を、どこまで縮められるかによってユニットの段数を増やすことができる。反射板の配置によって光の無駄をなくすことも可能だ。山口さんは「効率的な植物工場の形をつくれれば、栽培ユニットの製造や工場設計などに事業領域を広げられる」と意気込む。
 
 
2011年春からは、パート社員を募集して日常の作業は任せる方針である。工場の規模も8-10倍程度に拡大し、フリルアイスで日産300株程度の生産を見込む。再来年にはさらに10倍に拡大し、日産3000-1万株を目指す計画である。<参考:日経MJ、2010年12月12日の記事より>
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
植物工場・農業ビジネス編集部

植物工場・農業ビジネス編集部

投稿者プロフィール

植物工場・農業分野を中心に環境制御技術に関する最新動向ニュースを配信しております。

この著者の最新の記事

関連記事

植物工場・スマートアグリ展2017
次世代農業EXPO 植物工場バナー
植物工場設備販売(人工光型)_バナー
    ミラノ万博レポート「食と農業の未来」

過去のピックアップ記事

  1. LA DITTA、人工光型植物工場のASEAN輸出に向けシンガポール18店舗でテスト販売
     株式会社LA DITTA(ラ・ディッタ)は、シンガポール現地の流通会社EASTERN GREEN …
  2. 野菜の機能性に関する測定方法(機能性表示食品制度にも応用)
     機能性表示食品制度による商品の販売が6月16日より開始されました。当初は飲料や加工食品、サプリメン…
  3. 沖縄セルラー、稼働する植物工場にて来月から試験販売へ
     沖縄セルラー電話は社内ベンチャー制度の一環で、南城市玉城の同社南城ネットワークセンターの敷地内に植…
  4. ローム、イチゴ植物工場の事業者を2月末まで募集。新規参入向けに栽培ノウハウ提供
     ロームは、自社にて開発したイチゴ栽培を目的とした完全人工光型植物工場の事業化を目指す事業者の募集を…
  5. spread_plantfactory880
     世界最大規模の完全人工光型植物工場を運営するスプレッドでは、同社の米国現地法人であるNUVEGE,…
  6. 米国の農畜産ビジネス。全体の70%がICT自動化システムを導入・家族経営でも効率的な大規模生産へ
     テクノロジーが農畜産ビジネスを大きく変えている。センサーやモニタリング装置を導入し、環境制御や効率…
  7. 都市部の食料問題と食育を解決。米国NYなど都市部で拡大するアクアポニクス・地産地消モデル
    米国・地産地消の市場規模は120億ドル  米国における地産地消ビジネスの市場規模は2008年の50…
  8. 完全人工光型植物工場による遺伝子組換えイチゴ。イヌの歯肉炎軽減剤が動物用医薬品として認可
     (独)産業技術総合研究所・北海道センターの生物プロセス研究部門植物分子工学研究グループは、ホクサン…
  9. イノベタスの世界トップ規模のフルLED植物工場の完成披露へ
     株式会社イノベタスは7月10日、2015年3月に完成した「富士ファーム」の完成披露式典を行った。イ…
  10. 120億ドル市場の地産地消ビジネス。政府による新たな資金の貸し付けプログラムが開始
     米国農務省(USDA)では、小規模農家や近年、市場規模が拡大しつつある都市型農業に合わせた資金の貸…
150629_英語ページバナー ログインページ(無料会員登録)_topside.logo
無料相談(経営相談・新規事業)バナー
151226 プレス募集バナー PR記事バナー 人材募集バナー

注目記事

  1. 「獺祭」の旭酒造が富士通のITクラウド農業を活用しながら原料生産へ
     富士通は8月4日、日本酒「獺祭(だっさい)」で知られる「旭酒造」と、栽培が難しい酒米「山田錦」の生…
  2. 台湾における植物工場の市場概要と現状分析(1)
    1.台湾における植物工場の市場概要と現状分析(1) 台湾では植物工場ブーム?! 国内に60ヶ所以上…
  3. シカゴの都市型農業、米国農務省による100万ドル以上の補助支援を受けて農地整備・人材育成へ
     シカゴ市は米国の連邦政府補助金として100万ドルをかけて、都市型農業の整備や人材育成、新規事業の支…
  4. 昭和電工と山口大、植物工場・高速栽培技術に関する世界展開へ
     昭和電工のLED光源を採用した完全人工光型植物工場ユニット「SHIGYOユニット」が、山形県天童市…
ページ上部へ戻る