地下の閉鎖空間・環境制御によるスギゴケの栽培/植物工場(宇宙開発)の研究も進める大阪府立大学

植物工場の研究開発拠点として認定されている大阪府立大学では、店舗併設型・植物工場を展開するサブウェイの2号店が研究センター内に出店予定だが(関連記事)、同大学では完全閉鎖内でのスギゴケの栽培実験など、非常に面白い研究開発を行っている(各大学の情報について→ こちら)。
 
 
例えば、1964年に六甲山系の土砂を運ぶために敷設された地下のベルトコンベヤー(神戸市)の一部をスナゴケによる人工栽培に利用している。スナゴケは土が不要で雨水だけで生きられるほど生命力に優れ、ビル屋上や壁面緑化による都市部のヒートアイランド緩和の一助になると期待が集まっている
 
 
実験現場に地下が選ばれているのは「トンネル内は季節にかかわらず、室温が一定で育成に適しているからだ」と同大学の村瀬治比古教授は説明している。スナゴケは約40メートルにわたるマット上で栽培し、コンピューター制御でタンクからの水やりや光を調整。ウェブ上で生育状況を監視している。また生産したスナゴケは商品化され、設立したベンチャー企業を通じて、住宅メーカーなどを対象に1平方メートル約2万5千円で販売している

神戸新聞WEBより

冬でも枯れないスナゴケを建物の緑化に利用する製品はこれまでもあったが、成長が遅く壁面や屋根を十分に覆う広さまで育てるのに2、3年かかるのが難点だったが、環境条件を管理することで、従来の4分の1の期間で育成できる点が強みである。屋上緑化は、工場立地法が改正され、敷地内に義務付けられた緑化が屋上でも可能になったこともあり都市部を中心に拡大中。こうした需要拡大を狙って、低コストで栽培できる技術確立を進めている。
 
 
研究グループは野菜栽培のLED技術を転用し、スナゴケの光合成を促し量産につなげる装置も開発しており、2?3年かかる育成期間を半年に短縮、育成コストも最大5割削減できると計算している。「コスト問題をクリアできれば、LED装置をトンネルにも導入し安定した生産体制を構築したい」とのこと。同大学では、丸紅の大阪支社にある植物工場にも技術強力しており、今後の研究開発の成果に期待したい。