太陽光利用のハウス型と閉鎖型の植物工場の開発。造船用に揺れる船内でも水耕栽培が可能(佐世保重工業)

造船大手の佐世保重工業(SSK)は九州電力総合研究所の技術提供を受けながら、ハウス型(太陽光利用)と閉鎖型の2つの植物工場に関する実証実験を開始した。同社は今年6月に営業企画本部を設置して新規事業の開発に力を入れており、植物工場に着目。
 
 
佐賀市にある九電研究所に社員を派遣して栽培ノウハウを学びながら、長崎県佐世保市の佐世保造船所の遊休地(約4500平方メートル)に太陽光で育てるビニールハウス型(40平方メートル)と人工光で育てる閉鎖型(8平方メートル)の植物工場二つを11月に整備した。栽培するのは、加熱調理用トマトなど国内で産地間競争が少ないトマト4種類と葉物野菜11種類で、土の代わりに「ロックウール」と呼ばれる石を繊維にした特殊な土壌を使う。
 
太陽光利用のハウス型と閉鎖型の植物工場の開発へ。造船用に揺れる船内でも水耕栽培が可能(佐世保重工業)

写真は米国のサイエンスバージ

 
年明けにも収穫できる見込みで、試供品として傘下の外食会社や同市内の飲食店などに提供して市場調査し、収益性が見込めれば、遊休地と自社OBなどの人材を活用して植物工場の規模を広げるという。また長期間洋上に出る大型船で野菜の需要が高いことから、船に載せられる植物工場の開発にも西日本工業と共同で着手した。揺れる船内でも水耕栽培の水がこぼれないようにするなど技術的課題を解決し、造船の付加価値としても活用したい考えだ。同社は「景気に左右されやすい造船業だけでなく、事業の開拓で成長を図りたい」としている。同社の計画では今後、実証実験を行いながら、2012年度の事業化を目指す、という。
<2010年12月1日 西日本新聞より>