米国のアクアポニクス商品(fishyfarm)/野菜の水耕と魚の養殖を一体化するアイデアは面白いが普及には至っていないのが現状

野菜の水耕栽培と魚の養殖を一体化したシステムであるアクアポニクス(aquaponics)について、他にも商品を紹介して欲しい、とコメントを頂いたので新たな商品をご紹介したい。アクアポニクス(aquaponics)の基本情報や欧米での状況はこちらの記事を参考までに。
 
 
エコや都市型農業、未来の食料生産技術といったキーワードを前面に出し、米国では多くの企業がシステムを販売しているが普及率はいまいちのようだ。システム販売会社、さらにはアクアポニクス・システムを利用して野菜や魚を生産している企業のうち、大きな売上を達成し、成功しているような話も聞かないので、まだまだ一部のコミュニティ・レベルでの普及といった所でしょうか。
 
米国のアクアポニクス商品(fishyfarm)/まだまだ普及には至っていないのが現状、技術的課題も山積み
それでも最近は多様なニーズ(あるのかも疑問だが)に応えるために、室内用の小型商品から、庭における少し大きめのサイズ、さらには商業用サイズ(ハウス付き)といった幅広い商品を販売しており、例えば米国のFishy Farm 社もそのひとつ。

ディスプレイ用というよりも実用性を重視、といった木枠のハードの下段には熱帯魚、上段には葉野菜が栽培できるというもの。特に米国で普及しているものは、もう少し大きめのサイズで、自宅の庭などに設置しながら、下段ではティラピアやナマズといった食用の魚を育てるものが主流です。観賞用として鯉を飼育しているシステムも見たことがあります。
 
 
しかし、上記の写真のような小型サイズでも、1000ドルくらいで販売されており、本格的に野菜や魚を生産するとなると、最低でも2500ドルは必要となり、なかなか気軽に始めにくいのかもしれません。ただし、ホームセンターで部材を購入し、DVDで勉強すれば誰でも簡単に作ることもできると、関係者からは説明を受けました。
 
 
どちらにしても日本のような水耕栽培とは異なり、栽培している野菜のサイズもバラバラ(自家消費にしか向いていない)、食用とはいえ日本ではあまり食べない淡水魚のみ(調べると日本でもティラピアを出す料理店も増えているようですね)。
 
 
魚の糞・排泄物を、野菜の水耕栽培の肥料として利用し、害となるものはバクテリアが分解してくれるとはいえ、あまり細かい養液条件や栽培環境を設定できず、栽培可能な野菜や魚は限られており、日本での普及は難しいかもしれません。そもそも、一体型にする必要性があるのか?といった議論もあります。なかなか現状での普及は難しいものの、海水・淡水魚が一緒に飼育できる好適環境水のように、関連する新技術から画期的な栽培システムが発案されることを期待しています。
 
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